アメ車特有のトルク型エンジンならトラブルの心配いらず
2000年前後のアメリカンSUVの魅力は価格が安いだけでなく、年式を経たことで人と「かぶらない」というメリットも発生します。キャンプ場で同じミニバンが並んでいる……という光景を目にすることが多々ありますが、自分らしさをアピールするには最適なチョイスになるはずです。また、アメリカンSUVは排気量が大きく低回転域でトルクを発生するエンジン特性はエンジンへの負担が少なく、走行距離が多めでもトラブルが少ないことでも定評があります。
もちろん4WDモデルとしての走破性能も高く、悪路でもへこたれることなく走り抜けることができるのも魅力のひとつになっています。以前までは「アメリカンSUVはボディサイズが大きいのが弱点」と言われていましたが、今となっては肥満化、大型化し続ける現代の国産SUVやミニバンモデルと比較すると「こんなに小さかった?」と感じるはずです。
デメリットがあるとすれば大きな排気量による自動車税の高さ
ここまでは少し古めのアメリカンSUVのメリットを語ってきましたが、もちろんデメリットも存在します。もっとも大きなデメリットは、排気量の大きさに比例した自動車税の高さ。さらに年功を経た(初年度登録から13年目以降)モデルは自動車税が15%程度も加算されてしまいます。
具体的な例として3000ccから3500ccの排気量を持つモデルでは、通常で5万8000円の自動車税が必要となり、13年経過しているクルマにはさらに8700円の増税が課され、合計で6万6700円の税金が必要になります。さらに、アメリカンSUVは燃費が悪いのが当たり前で、1リッターで5km〜6kmしか走らないモデルも少なくありません。また、日本市場から正規ディーラーが撤退してしまったブランドもあり、正規輸入モデルであってもサービスを受けることができません。しかし、アメリカ本国からパーツを取り寄せてサービスを提供してくれるアメリカ車専門店も多く、アメリカンSUVを手に入れる場合にはショップ選びが大きな鍵になることを覚えておきましょう。
少しずつ高値傾向のアメリカンSUVを狙うなら今が買い時
日本だけでなくドイツ、イギリス、イタリア、フランスの旧車が中古車市場で価値を高め、驚くような高騰を見せている昨今、最後の砦であるアメリカンSUV市場も別世界の話ではありません。すでにアメリカンマッスルカーやスポーティカーの世界では値段が高騰し、簡単に手に入れることができない状況になっています。
ネオクラシックSUVとしてアウトドアマンの注目が高まれば、底値で流通しているアンダー100万円のアメリカンSUVを手に入れることが難しくなる可能性が高くなります。少し古いキャッチコピーですが「少し古めのアメリカンSUVを買うならいつ?……今でしょ!」ということです。