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厳しい規制に内燃機関は限界まで性能を絞りだしている! 「苦悩」と「不正」のディーゼルの歴史とは

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Daimler/日産自動車/トヨタ自動車/マツダ/ダイハツ/三菱自動車/写真AC/Auto Messe Web編集部

新触媒「尿素SCR」という選択肢が現れたのに……

 それを解決するため、日産ディーゼル(現UDトラックス)とダイムラーがほぼ同時に「尿素SCR(選択還元)」という触媒を開発した。まず燃焼を改善しPMの発生を極力抑える。それによって増えるNOxを、尿素SCRで還元する仕組みだ。ディーゼル本来の燃費のよさも保持できる。ただし、この触媒を機能させるには尿素水溶液(通称「AdBlue」=アドブルー)を定期的に補充する必要があり、その手間と費用を惜しみ当初は多くの自動車メーカーが採用を見送った。ところが、排出ガス浄化が十分にできず、偽装問題が起きたのだ。

ガソリンスタンドで見かける「AdBlue」は尿素SCRに用いる

もはや内燃機関は環境性能の限界に達しつつある

 現在のディーゼルエンジンの排出ガス浄化性能は、ガソリンエンジン車と同等といわれる。だが、それは規制値内に収まっているだけで、現実に排出される有害物質の量はディーゼル車のほうがガソリン車より多い。ディーゼル車が普及することにより、首都圏ではふたたび光化学スモッグが発生している。

 ガソリンエンジンも、燃費向上のため圧縮比を高めて筒内噴射(直噴)を用いることにより、ディーゼルエンジンと同様PMの排出があり、欧州ではガソリン車も粒子状物質のフィルター(「GPF」=ガソリン・パティキュレート・フィルター)を装備しなければならなくなっている。

 つまり、ディーゼルにしてもガソリンにしても、もはやエンジンは性能の限界に達しつつある。環境基準を満たそうとすれば手ごろな動力ではなくなってきたため、VWにはじまり、先般の日野自動車の偽装が起こり、また軽自動車ではガソリンエンジンでも燃費偽装が行われたといえる。

環境性能だけでなく経済性も両立しなければならないメーカーの苦悩は深い

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  • 1892年にルドルフ・ディーゼルが発明したディーゼルエンジン第一号
  • 軽油を高圧縮比で事故着火させるディーゼルエンジンは燃費に優れる
  • マツダが独自に開発したSKYACTIV-Dは尿素SCRを採用せずに環境基準を満たしている
  • ガソリンスタンドで見かける「AdBlue」は尿素SCRに用いる
  • 環境性能だけでなく経済性も両立しなければならないメーカーの苦悩は深い
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