最近では軽自動車にも採用される便利機能「イージークローザー」とは
クルマのドアに備わる機能のひとつとして「イージークローザー」がある。ミニバンやプチバン、スーパーハイト系軽自動車などのスライドドアや高級セダンの各ドアやトランク、そしてミニバンやSUV、ワゴンのバックドアなどにまで使われている。ようは閉まる最後の部分でグッと引き込んでくれたり、自動でスーッと閉めてくれる便利な機能だ。
最大のメリットは煩わしい半ドア状態が解消できること
装着車のメリットは大きく、スライドドアやバックドアであればいわゆる半ドアになることはない。例えばドアやバックドアを閉めたつもりでも完全に閉まっていなくて、リモコンキーでクルマを施錠しようとしたら警告音が鳴り(どこか1枚のドアだけでも半ドアだとロックされなかったりする)、クルマに戻って再度ドアを閉め直す……なんていう面倒とも決別できる。
また、SUVやワゴンのバックドア、ミニバンやプチバン、スーパーハイト系軽自動車などのスライドドアにイージークローザーが装着されていると、バシャンと大きな音と振動をたてることなく最後はドアがス~ッと吸い込まれるように閉まり、煩わしさがなくロックされるため、車内にいる人やペットの耳に優しいメリットもあったりする。
デメリットは壊れると決して安くない修理費用が必要なこと
ただし、しっかり機能してくれるうちはいいこと尽くめなのだが、これが一度壊れると意外に高い。新品部品だと2~4万円程度というのが相場らしく、非イージークローザー車であれば、そんなトラブルとは無縁だが、装着車だと部品の当たりハズレもあるかもしれないものの、使い方が荒かったりすると結構壊れることがある。故障すれば当然手動ドアになるだけじゃなく、手動で閉めようにも完全に閉まりきらないため、恥ずかしいことにガムテームなどで応急処置することになるのだ。さらにミニバンのスライドドアだと、閉める際これまでにない最悪な重さを経験することになる。
また、ドアやバックドアが引き込まれるところで反応が鈍くなっていたり、ギュ~とか変な音がし出すと要注意。よくある原因は、モーターまわりの接点不良や腐食、ヒューズ関係が多いらしいのだが、モーターまわりを点検するには、ドアの内張りをはがしての大作業となってしまう。もちろん、素人が簡単にできるものではなくプロの修理が必要で、部品代のほか作業工賃もかかるから壊れると相当やっかいであることを知っておきたい。
とはいえ、イージークローザーのメリットは、使い勝手の面で絶大であることは否めない。滅多に壊れるものでもないので、とくに中大型ミニバンなど、スライドドアが大きく重いクルマの場合は、不可欠と言っていい機能だと考えたい。また、愛犬をクルマに乗せた状態でバックドアを開け閉めする機会が多い愛犬家にとっても、聴覚に優れた犬に優しい電動パワーバックドア、またはイージークローザー機能はぜひとも欲しいところである。