シート形状も重要なポイント
そして、じつはスライドドアから乗り込んだあとが重要で、シート(ここでは2列目席とする)に座る、立ち上がるという動作のしやすさが、とくに足腰が弱った高齢者の一連の乗降動作に大きく関わってくるのだ。ダイニングの椅子に座り、立ち上がることが容易な高齢者でも、ローソファに座って立ち上がるのは大変(健常者でもそうだろう)なのと同じ理屈。つまり、フロアに対してシートが高めにセットされているほうが(ヒール段差が高いほうが)、着座、立ち上がり性もいいことになる。
新型ノア&ヴォクシーの2列目席のヒール段差は370mm(先代も同じ)と、異例に高い。新型ステップワゴンはまだ未計測だが、現行ステップワゴンとセレナがともに340mmだから、この点では新型ノア&ヴォクシーが有利になるかもしれない(新型ステップワゴンでヒール段差が高まっていれば話は別)。
なお、新型ノア&ヴォクシーの3列目席のヒール段差は290mm。新型ステップワゴンの3列目席もヒール段差はかなり抑えられているのがわかっているから、足腰の弱った高齢者を独りで座らせるのには適さない。健常な筆者でも、座り、立ち上がるのにそれなりの筋力を使うぐらいなのである。
というわけで、現状ステップワゴンの全貌が分かっていない現時点では、高齢の両親の乗せ下ろし性で、やや新型ノア&ヴォクシーが、乗降対策のコスト(ユニバーサルステップのこと)を含めてリードしているように思える。だが、実際にどちらがより高齢者の乗降性に優れているかは、新型ステップワゴンが登場してからの判断になるだろう。その部分が気になるなら、決断は新型ステップワゴンがデビューする5月中旬まで待ったほうがいい。