ノーマル派からカスタム派まで時代を超越したGクラスの魅力とは
日本におけるメルセデス・ベンツのラインアップのなかでも、つねに注目度の高いGクラス。”ゲレンデヴァーゲン”と呼ばれていた初代モデルのデビューから、40年以上もの時間を経ても基本骨格と性能に寄り添う硬派なデザインが今や独創的で、その佇まいが時代の流行をも凌駕してしまう存在だ。
そんななかでもGクラスは、細かくマイナーチェンジを繰り返したわけだが、日本においてそのプレミアムな存在感が一気に広まったのは、2000年を超えたあたりぐらいだと記憶している。それまでは価格こそ高級車並であったが、クロスカントリーカーとしてヘビーデューティなスタイルと機能に惚れ込んだ一部のマニアにしか知られていなかった。だが、そのホンモノ感が徐々に注目され、当時はまだ珍しさもあってか、富裕層を中心に注目されるクルマとして世の認知度を上げていくこととなるのである。
オーナー個々がカスタムすることでプレミアムさをさらに演出
そんなGクラスは、クルマの成り立ちとは相反する都会的で洗練された憧れの的のクルマとして広まり、いつしか都会のそこかしこで見かけるようになる。長年スタイリングの大きな変化が目立たないこのクルマだが、オーナーたちのなかでさらに愛車のプレミアム感を高めたり、ほかのGクラスとの差別化を図るようになる。
それはチューナーズブランドのエアロなどを身に纏うことで、自身のクルマよりもグレードアップさせるべく外装を着せ替えたり、マイナーチェンジ後のより高年式な外観にすることでニューフェイスを手に入れるなど、さらなるプレミアムなオーラを身に纏いたいというオーナーが多数派だった。
限定モデルを意識したオールドモデルスタイルへの意匠変更も人気に!
ところが、30周年の記念に限定発売されたモデルの登場で、アーバンプレミアムからもうひとつの流れを産むこととなる。これはGクラスの基本を思い起こさせると同時に、原点回帰のワイルドな出で立ちへ一気にイメージを修正させる、カスタム派オーナーの指針となる一台に。
その流れはのちのオリジナルの派生モデルとして、6×6の市販化やスクエアードなどの、クロスカントリービークルとしてのキャラクターを全面に押し出す実力派モデルの登場に繋がっていると考えられる。こういったGクラスの長い歴史のなかでも、じつは多様なテイストのスタイリングを自分なりに色々とアレンジできるところが、このクルマの面白さのひとつ。イメージを変えるポイントは大きく3つあるが、グリルとライトべゼルのセット、フェンダー、それとプロテクトモールがそれだ。
Gクラスの変遷がさまざまなカスタムスタイルを生み出した
まず、グリルはW460/W461/W463前期/W463後期、それと最新の463AのAMGモデルに奢られているパナメリカーナグリルが存在する。W463後期のAMGにはG63とG65の仕様がそれぞれあり、着せ替えのチョイスの幅が広がるのはW463だ。
理由はW460のようなオールドスクールな出で立ちにあえてするのか、最新W463A型G63 AMGのごとく縦格子グリルにするか? さらに、たまに見られるW460→W463の顔にしてみるのか? さらにはフェンダーは幅広タイプのいわゆるG55コンプフェンダーなのか、それまでのノーマルフェンダーか? それとも思い切ってフェンダーレスなナローボディの佇まいとするのかなどなど、その手法は幾通りも存在する。
エイジング&アンチエイジングカスタムのほか、オフロードからアーバンまで自在に演出できるGクラス。クルマの幅広い守備範囲をいろんなカタチで表現できて、なおかつサマになる。このポテンシャルがGクラスがクルマ好きを惹きつける要因かもしれない。