クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 初代がヒットしすぎて霞んだ2代目! ホンダ・シティの栄光と凋落
CLASSIC
share:

初代がヒットしすぎて霞んだ2代目! ホンダ・シティの栄光と凋落

投稿日:

TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 本田技研工業/Auto Messe Web編集部

大ヒットのなかでホンダが不得手だった商用バンのプロは不評に終わる

 あらためて初代シティを振り返ると、偉大な大ヒットモデルであった。だが、あまりにも短期間でモデルチェンジが行われ、ユーザーを複雑な思いにさせたクルマであったとも言える。また、商用が前提の4速MTの「プロ」(ATの設定あり)は不評であった。初代シティ プロ

 販売店によると、理由はそもそもホンダは商用車を売り慣れていないということと、耐久性に難があったとのこと。そういえば、バンやタクシーなどハードに使われるクルマを現在でも実際に生産しているメーカーは少ない。つまり商用車を作るのは乗用車とはまた違ったノウハウが必要ということだろう。

2代目シティは初代のコンセプトを覆すロースタンスでデビュー

 そして新開発の1カム(SOHC)16バルブのエンジンと、クラス初の新設計4速ATをウリに登場した2代目シティは、一転して背の低いホンダらしいスポーティなスタイリングに変わってしまった。2代目シティのフロントスタイル

 これは初代シティが「ライフ・ビークル」、2代目が「パーソナル・トランスポーター」というコンセプトであったことに注目したい。初代はたとえ独身者であっても後席を常時使うような、仲間とワイワイ楽しむクルマであり後席の居住性が求められた。対して2代目は、物が豊かな時代に育った若者向けの前席優先車という違いがあり、ホンダとしては時代を先取りした感覚だったに違いない。2代目シティのインテリア

 もちろん、環境性能(低燃費)を高めるためには空気抵抗を減らすことも重要であり、低いスタンスとしたことが結果的に軽自動車のトゥデイと似てしまったのだろう。ちなみにどちらもマイナーチェンジを受けると、ますます似たようなスタイリングになるのが面白い。そして筆者は初代オデッセイを初めて目にした際に思ったのが、2代目シティのマイチェン後モデルに似ていること。昔からホンダはこうした形状がお気に入りだったのだろう。ホンダ・トゥディのフロントスタイル

2代目のジンクスにハマり偉大すぎる初代の陰で泣いた次男坊

 最後に環境性能追求の話だが、ホンダは早くから環境や燃費を意識し続けたメーカーであり、初代シティもターボ化によって出力が向上しているにも関わらず燃費が悪くなっていないことをアピールしている。自然吸気67psの10モード燃費は10.0km/L、ターボⅡが110psで10モード燃費が17.6km/Lだから、ホンダの言い分もわかる。そして2代目シティでもっとも燃費に優れた仕様で10モード燃費が20.0km/Lとなっている。こちらはターボなしの76ps仕様であり、実用燃費とかけ離れていると言われる10モードだが、ホンダは早くから環境性能にこだわってきたことだけは、この数値を見て疑う余地はない。2代目シティのD12A型エンジン

 初代シティは大ヒットモデルとなった。それゆえに大なたを振るったような2代目の方向転換で、良くも悪くも話題となった。人はクルマに愛着を持つ。そしてそれは車名にもおよび、自分の理解の範囲(許容範囲)を超えてしまうと、さほど興味のないクルマになってしまう。

 2代目シティは大ヒットとは言えないまでも、後世で語られるほど販売が不振に陥るような「外した」クルマではなかった。それ故に光と影で表現するならば、2代目シティを影と表現するのは酷であるように思うが、それでもターボやブルドッグのターボⅡ、そしてカブリオレなど、話題を次々に振りました初代シティは偉大であり文句なしに光り輝いていたと言える。

 

■ホンダ・シティターボ主要諸元
○全長×全幅×全高:3380×1570×1460mm
○ホイールベース:2220mm
○トレッド 前/後:1370mm/1370mm
○車両重量:690kg(サンルーフ装着車700kg)
○乗車定員:5名
○最小回転半径:4.5m
○室内長×全幅×全高:1615mm×1310mm×1175mm
○エンジン ER型直列4気筒OHC12バルブ
○総排気量 1231cc
○最高出力 100ps/5500rpm
○最大トルク 15.0kg-m/3000rpm
○サスペンション 前後:ストラット式
○ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/LT油圧式
○タイヤサイズ 前後:175/70HR12

■ホンダ・シティターボⅡ主要諸元
○全長×全幅×全高:3420mm×1625mm×1470mm
○ホイールベース:2220mm
○トレッド 前/後:1400mm/1390mm
○車両重量:735kg(サンルーフ装着車745kg)
○乗車定員:5名
○最小回転半径:4.6m
○室内長×室内幅×室内高:1615mm×1310mm×1175mm
○エンジン:ER型直列4気筒OHC12バルブ インタークーラーターボ
○総排気量:1231cc
○最高出力:110ps/5500rpm
○最大トルク:16.3kg-m/3000rpm
○サスペンション 前後:ストラット式
○ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/LT油圧式
○タイヤサイズ 前後:185/60R13

12
  • 初代シティターボⅡ
  • 2代目シティのDA12型エンジン
  • 2代目シティのフロントスタイル
  • 2代目シティのインテリア
  • 全12色のカラーで登場したシティカブリオレ
  • 初代シティに搭載のコンベックスエンジン
  • モトコンポを積んだ初代シティ
  • 初代シティのフロントスタイル
  • 初代シティカブリオレ
  • 初代シティターボのフロントスタイル
  • 初代シティ プロ
  • ホンダ・トゥディのフロントスタイル
すべて表示

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS