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ランエボの心臓をぶち込んだ爆速ファミリーカー! RVRとシャリオの衝撃

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 三菱自動車/Auto Messe Web編集部

一部のオーナーたちの間ではエンジンチューニングも人気に!

 スポーツカーとは背が低くてMTでエンジン性能を駆使して速さを生み出した時代に、普通の4ドアセダンながら速い4WDマシンとして登場したランエボに対して、RVRはRV車でランエボのようなクルマを生み出したのだからたまらない。ちなみにスーパースポーツギアの4WDはビスカスカップリングを用いた三菱自慢のフルオート4WDであり、エンジンもチューニングに対応できる鋳鉄ブロックのお馴染み4G63型ターボ。まさにRV界のランエボと言える存在であった。4G63型インタークーラーターボエンジン

 もちろんRV車としてのユーティリティ性もしっかり備えていた。300mmもスライドできる後席を持ち、荷物の量や形に対応できるフレキシブルさを誇り、昼間と夜間点灯時でメーターの色が変わるカラーチェンジャー式を採用するなど、RVの遊び心を発揮したモデルであった。2代目RVRの走り

 そして1997年にシャープなデザインと1.8L&2.4LのGDIエンジンを採用した2代目が登場。そして、さらにパワーアップした250ps(MT車)/35.0kg-m仕様を設定したのだが、RVブームの終焉によってこのRVRはいったん休止となる。

2代目シャリオはファミリーミニバンの3列シート仕様でデビュー

 1991年2月発売のRVRから遅れること3カ月、1991年5月には2代目シャリオ(初代モデルは1983年に発売)もデビューする。このシャリオは、後席にもヒンジドアを持つ初代由来のミニバンの元祖的なモデルで、日産プレーリーよりも発売は遅れたが、歴史的な3列シートとしてデビューした。シャリオ・リゾートランナーGT

 そのため2代目もファミリーカーとしての性格が強く、RVRに倣うように「リゾートランナーGT」(他名もあり)と呼ばれる4G63型インタークーラー付DOHCターボエンジン搭載仕様もラインアップした。このエンジンは、初代シャリオの大人しいターボ(1.8L直4SOHCターボ、最高出力135ps)とは異なり、ファミリーカーだったシャリオが高性能ミニバンに変貌。だがRVRほどの人気を博すことはなかった。そして2代目では高級路線のシャリオグランディスとなり、V6エンジン搭載など高級化が図られたのだが、日本でのシャリオの名はこのモデルで終焉を迎える。

 日本はクルマも家電製品も、ほかの真似をより向上させて商品価値を高める国だという認識もあったが、それは昭和の話である。このRVRやシャリオのように、過去に例を見ない超高性能なスポーツワゴン&ミニバンを生み出したことをはじめ、日本初と呼べるクルマの機能や文化が沢山ある。そして日本のクルマづくりはつねにユーザーニーズに寄り添ったフレンドリーなモデルが多く、日常生活から外遊びまで今もなお満足度の高いカーライフを提供してくれる。

 さすがに環境問題が叫ばれる現代で、RVRやシャリオのようなクルマは誕生しないだろう。しかし、電動化をいち早く推し進めてきた三菱にはツインモーター+S-AWCを搭載したアウトランダーやエクリプスクロスのPHEVモデルがある。今後、RVRのハイパースポーツギアRやシャリオのリゾートランナーGTのようなハイパーな電動SUVが登場することを密かに願っているのだが。

新型アウトランダー

 

■三菱RVR ハイパースポーツギアR(5速MT)主要諸元
○全長×全幅×全高:4460mm×1740mm×1730mm
○室内長×室内幅×室内高:1880mm×1460mm×1140mm
○乗車定員:4名
○車両重量:1510kg
○エンジン:4G63型直列4気筒DOHCターボ
○総排気量:1997cc
○最高出力:230ps/6000rpm
○最大トルク:29.5kg-m/2500rpm
○タイヤサイズ:205/65R15

■三菱シャリオ リゾートランナーGT(5速MT)主要諸元
○全長×全幅×全高:4555mm×1695mm×1670mm
○室内長×室内幅×室内高:2345mm×1435mm×1260mm
○乗車定員:7名 
○車両重量:1500kg
○エンジン:4G63型直列4気筒DOHCターボ
○総排気量:1997cc
○最高出力:220ps/6000rpm
○最大トルク:30.5kg-m/2500rpm
○タイヤサイズ:195/65R15

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  • RVRとシャリオ
  • 三菱RVRのフロントスタイル
  • 2代目RVRの走り
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