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王者ハイエースを倒せるか? 新型キャラバンのディーゼルに「死角」が見当たらない

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TEXT: 土田康弘  PHOTO: 日産自動車/Auto Messe Web編集部

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  • 4N16型2.4L直4ディーゼルターボ

新型ディーゼル搭載はもちろん内外装で魅力倍増の新型キャラバン

 昨年10月にビッグマイナーチェンジを行ったキャラバン(※旧モデル名はNV350キャラバン)。先行して改良を受けたガソリン車に続き、今年2月にはディーゼル車もマイチェンを敢行。テストコースで実施された発表会を兼ねた試乗会で、その進化ポイントをチェックした。

ハイエース猛追の急先鋒は高出力&低燃費の2.5Lディーゼルターボ

 まず先行してデビューしたガソリン車は、最上級グレードとして「GRANDプレミアムGX」の追加設定をはじめ、外装デザインや内装装備などで数々の進化が施された。これら基本の進化ポイントはディーゼル車でも同様で、細部を見ていくとライバルであるハイエースを迎え撃つさまざまな進化を遂げ、魅力を大きく向上させていることがわかる。新型キャラバンのグランドプレムアムGX

 なかでも今回発表されたディーゼル車の最大の進化ポイントはパワートレーンのリニューアルだ。ディーゼルエンジンはこれまでYD25型(日産製2.5L)を搭載していたが、新開発の4N16型(三菱自動車製2.4L)に変更。最高出力は129psから132psへとパワーアップ、トルクも356N・mから370N・mへと向上している。4N16型2.4L直4ディーゼルターボ

 注目したいのはそのトルクだ。ライバルのハイエース(2.8Lディーゼルターボ)が300N・mなのに対して、大きなアドバンテージを持っているのが読み取れる。しかも2000rpm付近で最大トルクを発生することから、トルクフルな走りが期待できるエンジンとなったのだ。

ロックアップ領域が広い7速AT搭載がダイレクトな走りを実現

 さらにガソリンエンジンでもすでに採用されている7速ATの搭載も大きな魅力。ライバルのハイエースは6速ATなのに対して、こちらでもアドバンテージを感じさせる。トルクフルなエンジン+ATの多段A化によって「加速Gが持続する」感覚を味わえるのが新しいキャラバンの走りの魅力となった。またロックアップ領域を拡大したことによるダイレクト感のある走りも新型の魅力。試乗するとリアルに感じられる加速フィーリングの心地良さを感じさせるクルマとなった。新型キャラバンに搭載の7速AT

 また追い越し加速の性能アップもうたっている。80km/h→100km/hの全開加速性能ではマイチェン前に対して8%もの性能アップを実現。さらに快適性アップの効果として大きいのが静粛性で、7速ATによるハイギヤード化や新エンジン搭載の効果で、かなり静かになっている。実際に試乗すると加速時点ですでに静かだが、高速巡航時のディーゼル特有の騒がしさもほとんど感じないほど。新型キャラバンの走り

 気になる環境性能は、燃費は旧モデルが12.4km/L(2WD)であったのに対し、新型は13.9km/Lへと向上。さらに環境性能面では尿素水を2カ所で用いる世界最新のシステムを導入し、クリーンな排気を可能にしている。

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