一歩間違えるとメッキならではの輝きを失ってしまう
メッキの輝きというのは独特なもので心惹かれるものがある。世の中にはメッキ好きという人は多いし、そこまででなくても、グリルなどに使用されているとその輝きが魅力的だったりする。塗装にはない輝きは確かにメッキならではだ。ただ、そのお手入れの仕方には注意が必要で、一歩間違えるとメッキならではの輝きが失われてしまうこともある。今回はそのお手入れ方法について紹介しよう。
最近のオラオラ顔でも存在感を発揮するメッキ
まずそもそもメッキとはなんぞや、から説明すると、一般的に自動車に使われるのはクロムメッキと呼ばれるもの。簡単に言ってしまえば、金属の下地に硬い金属製の皮膜を電気処理で作るもの。クロムの場合は硬く、シルバーに輝くのも特徴で、ほかには金メッキや銅メッキなどがおなじみだろう。また、最近はフロントグリルなど、樹脂にクロムメッキが施されているが、これは特殊な工法によって本来電気を通さない樹脂でも電気処理を可能にしてメッキしている。つまりベースは違うものの、メッキ自体は同じということになる。
基本はマイクロファイバークロスで拭いてやる
お手入れの仕方だが、洗車のついでに拭いておしまいというのがほとんどだろう。表面がツルツルしているので水アカや汚れがつきにくいし、万が一付いていても落としやすい。ただしメッキの場合、被膜自体が金属なので硬いというだけでキズはつくし、曇りが出るときがある。
基本はやはり、汚れも含めて輝きが落ちてきたら表面を磨くこと。まず軽いものならマイクロファイバークロスを試してみる。これだと素材に対するダメージはない反面、汚れ除去力は高いものがあるので、軽いものなら充分対応が可能だ。ちなみに家庭で茶渋やシンクの汚れ落としで重宝するメラミンスポンジは、厳密に言うと掻き取って汚れを落とすので、キズを付ける可能性があるため使用は避ける。
メッキ専用のクリーナーで輝きを取り戻す
曇りやひどい汚れはマイクロファイバークロスでは落ちないので、次の段階としてはクリーナーを使用する。コンパウンド入りはツルツルの表面にキズを付けてしまうので避けて、メッキ専用のクリーナーを使用するのが基本だ。クリーナー力確保のためには、ある程度は磨かないとダメなので、厳密には超微粒子のコンパウンドが入っているものもあるだろうが、いずれにしても専用クリーナーやポリッシャーであれば曇りなどを落として、輝きを取り戻してくれる。
また、専用品で名高いのはアメリカ製のネバダルで、「ネバーダル(NEVER DULL)」つまり「輝きが鈍くならない」という意味だけに、性能もかなり高い。そのほかメッキ加工会社がリリースしている、その名も「メッキング」というクリーナーもオススメだ。
コーティング剤で保護することもお忘れなく
そしてメッキのお手入れで重要なのが、保護してやるということ。メッキは硬くてツルツルしているので保護能力が高いように思うが、実際は小さな穴が開いている。それゆえ、ポツポツとした点サビが出ることもあるし、樹脂ベースも含めてメッキ被膜自体が金属なので腐食してくることもある。コーティング剤を塗るか、こちらもメッキ専用品があるので試してみるのもいいだろう。