後席使用時の純粋なラゲッジスペースの広さに特化して紹介
アウトドアを楽しみたい人でも、自宅の駐車スペースや運転のしやすさや止めやすさを重視したい、そのほかにも、5ナンバーサイズのコンパクトカーではないと所有ができない、乗りたくない……という人も多いはずだ。そこで、5ナンバーサイズのコンパクトなクルマにして、アウトドアグッズをどっさり積める、大容量ラゲッジを誇る下克上的コンパクトカーを紹介したい。なお、今回は後席使用を前提とした、純粋なラゲッジスペースの広さ、使い勝手、容量に特化していこう。
ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズ
まずは、アウトドアの適合性という意味でもオススメできる、コンパクトクロスオーバーSUVのロッキー&ライズだ。
ラゲッジルームの寸法は、荷物の積載性の良否に大きくかかわる奥行きは755mm。そして幅は中型SUVやステーションワゴン同等の1000mmだ。1000mmと言えば、ベビーカーやドッグカートを真横に置ける幅となる(サイズによっては真横に積めないこともあるが)。
天井高にしても865mmもあるため、背の高いアウトドアグッズも無理なく積めるというわけだ。実際、フロア上の容量は369Lと、コンパクトカーとしては十二分。だが、ロッキー&ライズの荷物の積載力はそれだけにとどまらない。
なんとガソリンFF車の床下には80Lもの床下収納が備わり(HVは63L、4WDは42L)、最大449Lもの大容量となるのである。アウトドアから帰る際の汚れものや、転がりやすいものなどの収納にも適するから使いやすい。
トヨタ・シエンタFUNBASE
重い荷物の出し入れも楽々な、大容量ラゲッジルームを持つコンパクトカーといえば、シエンタの2列仕様だ。大容量コンパクトワゴンと呼べるFUNBASEがある。ラゲッジルームの開口部地上高530~610mm(後者はハイデッキ状態)と低く、重いアウトドアグッズの出し入れも楽々。
フロアは奥行き935mm、幅1060mm、天井高930~1100mmという広々としたスペースを備え、なおかつラゲッジルームの両サイドに9個のユーティリティホールまで完備されている。フックやシステムバーなどを付けて、さまざまなな用途や収納に対応できるのだから使いやすい。ラゲッジ容量は後方視界を奪わない後席シートバック上端まででも551L、天井ギリギリまで積んだとすれば驚異の821Lに達する(メーカーデータ)からすごい。
ホンダ・フリード+
シエンタFUNBASEの直接的ライバルとなるのがフリード+。
3列シートコンパクトミニバンのフリードから3列目席を取り払った大容量ワゴンであり、ラゲッジルームは開口部地上高335~720mm(後者はラゲッジボード上段セット時)と、ラゲッジボードを無視すれば、これほど開口部地上高の低いクルマも世界にない。
一方、フロアの奥行きは1035mm、幅は1270mm(ラゲッジボード上段)、天井高にしても975~1360mmと、後席を使った状態でもアウトドアグッズを余裕で積み込める広さ、後席使用時でも715Lもの容量がある。ラゲッジルームを上下2段で使え、多彩なシートアレンジ性を持つところも、アウトドアで大活躍してくれるポイントだ。
ホンダ・シャトル
とはいえ、上記の大容量ラゲッジを誇るコンパクトカーはいずれも背が高く、自宅の駐車スペースやよく行く駐車場に入らない……というケースもありうる。そこで、5ナンバーサイズのコンパクトカーにして大容量のラゲッジルームを備え、なおかつ全高1550mm以下の立体駐車場への入庫も容易な1台として挙げられるのが、ホンダ・フィット(先代)のステーションワゴン版となるシャトルだ。
ラゲッジスペースの開口部地上高は540mmと、世界のステーションワゴンの平均値620mmより遥かに低く、重い荷物の出し入れは楽々そのもの(もちろん開口部段差なし)。フロアは奥行き985mm、幅970~1285mm、天井高960mmと、5ナンバーサイズのワゴンとしては最大級の広さを誇っているから、アウトドアグッズの積載性もバッチリなのである。
ところで、今回の本題とはちょっとズレるが、アウトドアを楽しんでいるとき、突然の天候悪化や予期せぬ通行止めなどで、しばし、車内で過ごさなければならない際も、シエンタFUNBASE、フリード+、シャトルであれば、シートアレンジによって大人が真っすぐに横になることもできる。
またシエンタFUNBASE、フリード+であれば、高い室内高と巧みなシートアレンジによって室内をお座敷化することもできるため、アウトドアでの適性はさらにUP。言い方を変えれば、2名乗車であればさらなるラゲッジスペースの容量UPができるというわけだ。いずれにしても、5ナンバーサイズのコンパクトカーという条件で、上記の5台以上に荷物の積みやすさ、容量があるクルマは、ほかに見当たらないのである。