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ハードすぎない「汗かき」具合に愛好家が着目! いま旧車レースがジワリ流行中

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

ベテランドライバーも楽しめるレース形式のイベントもある

 また、旧車ビギナーも楽しめるサーキットイベントがあるので、その情報も記しておく。年間4戦のシリーズ戦として開催されている「東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズ(TBCC)」が、敷居の低いサーキットイベントとして毎回数多くの参加者を集めているのだ。サーキットを走る旧車

 往年の輸入車と懐かしい国産車が参加しているレース形式走行会で、袖ヶ浦フォレストレースウェイを本気で走るサーキットイベントながら、ドライバーの腕とクルマの性能によるラップタイムによりクラス分けが行われているため、安全にバトルを楽しめるよう配慮されている。思い思いのスタンスとスピードでレースを堪能できるので、70代のベテランドライバーもたくさん参加している。サーキットを走る旧車

 クラス分けについて具体的に説明すると、初心者向けのクラブマンズ・カップは袖ヶ浦フォレストレースウェイでのベストラップタイムが1分30秒を超える程度、その上位クラスとなるクリスタル・カップは同1分25~29秒台程度。さらに、その上位クラスとなるスーパークリスタル・カップは同1分22~25秒台程度の車両/ドライバーが参加できる。そして、過去に1分22秒よりも速いタイムを記録している車両/ドライバーは、最上位クラスのハイパークリスタル・カップ・クラスで走ることになる。スターティンググリッドに並ぶミニ

 また、TBCCに参加する前にお試しでサーキットを走ることができる“プレTBCC”的な意味合いを持つスポーツ走行クラスなども用意されており、このカテゴリーも人気だ。TBCCならではのカテゴリーといえる、このスポーツ走行クラスは現行車も走行OKだ。コーナーを攻めるサニー

 TBCCは敷居の低いモータースポーツであるからこそ、ルール、マナー違反に対するペナルティを明確化し、レース時の安全性を高めている。そうすることで、良い雰囲気でバトルを楽しめるようにしているのだ。そして、年間ポイント制を採用するなどし、TBCCらしさを保つ配慮もなされているのが特徴だ。

 ちなみにTBCCのほかにも、サイドウェイ・トロフィー、アバルトカップ、御岳サリータヒルクライム、チャオイタなど、旧車で楽しめるモータースポーツが多く展開されている。愛車の特性が合うイベントにエントリーしてみてはいかがだろうか。

実際にTBCCに参加している方の声

 人生初の旧車として1975年式のアルフェッタGTを購入したKさんは、ごく普通のサラリーマン・オーナーだ。セッティング不足でクルマが想定した動きにならなかったりするところが旧車レースのオモシロイ点とのことで、同じクルマに乗るライバルと情報交換しながら楽しく戦っている。参加者のコメント

 年齢が70代半ばというベテランドライバーのKさんは、1982年式のフィアット X1/9でレースに参戦している。以前は、グリルなどがGTA仕様にモディファイされ、2000ccエンジンを積んだアルファロメオGT1300ジュニアでサーキットレースを楽しんでいた。参加者のコメント

 自分のスキルや収入の変化に応じて参戦車両や参戦クラスを変えられる点が旧車レースの魅力とのことで、これからも個性的なクルマを駆り、アグレッシブな走りを披露していきたいそうだ。

いま所有している旧車オーナーでも参加しやすい

 旧車をリフレッシュするのに必要なさまざまなパーツをインターネットを駆使して海外から簡単にゲットできるようになったため、フィアット X1/9オーナーのKさんはトータルで10~20万円ぶんの部品を一気に購入したとのこと。

 ちなみに、X1/9は2018年8月に180万円でゲット。これまでにかかった維持費としては、フロアが錆びて穴が開いていたので、フロアパネルを9万円で買って接着。マフラーは触媒付きでワンオフ製作し、こちらは10数万円の出費になったらしい。フィアットX1/9

 Kさんによると、メカニックを生業としている友人に“お友だち工賃”で修理および整備してもらっていることもあり、車検時の出費は自賠責保険と諸費用の7万円ぐらいで済んだのだという。サーキットに通うと自動車趣味仲間から有意義な情報をゲットできるので、ビギナーはもちろん、ベテランドライバーにも有意義なのだ。

 週末に、ゴルフやサーフィン、釣りや登山に行くのと同じような感覚で、旧車でのサーキット走行を楽しめる環境が整備されているので、気軽に楽しんでみてほしい。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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