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プロが断言! いま軽自動車でレースを始めるなら「アルト」一択な理由とは

HA36アルトのサーキット走行

軽カーレース参戦でオススメのモデルとは

 全国で盛り上がる軽自動車のイベント。振りまわしやすいサイズと適度なパワー、維持費を含むランニングコストが魅力で、多くのユーザーがレースを楽しんでいる。今から参戦するなら車種はどれを選ぶのがベターなのか、そしてマシンメイクで押さえるべきポイントは何か。戦闘力だけじゃなく、中古車の価格やパーツの豊富さ、そして日常の使い勝手なども踏まえたうえで考察したい。

軽さが優位性にあるHA36型アルトが断トツにオススメ

 結論からいえばイチ推しは昨年まで現行型だったHA36型のアルトで、ワークスに代表されるターボでも廉価モデルのNAでもアリだろう。おもな理由は以下のとおりだ。まずは最近こそ上昇しているものの中古車が安くタマ数が豊富なこと、そして年式が新しいため快適性を含めて使い勝手に優れることだ。

 また有力なチューニングパーツメーカーやプロショップがこぞって開発に力を入れており、パワー系から足まわりまでカスタムするための部品が大量に出まわっている。そしてセッティングのデータがかなり煮詰まっている点も大きなアドバンテージとなる。

 さらに挙げるなら車重である。アルトワークスとターボRSの最軽量グレートが670kg、これはS660やLA400Kコペンと比べて160~180kgも軽いのだ。NAも今年から始まる『東北660選手権HA36カップ』の車両は、ごく一般的な軽量化で616kgというデータが残されている。ちなみに軽さで根強い人気を誇るHA23型アルトのレースカーをも凌駕し、ほとんどシェイクダウンの状態ながら上位に食い込んだ実力の持ち主。5ドアがゆえの使い勝手や燃費のよさも無視できない要素で、スプリントだけじゃなく耐久レースでも高い戦闘力を誇る。

レース参戦に必須のアイテム&チューニングメニューは?

 ではHA型36アルトを手に入れたとして、最低限やるべきチューニングとは何か。サーキットを走る以上は絶対に欲しいのがロールケージ。サンデーレースであってもレギュレーションで義務化されているレースも少なくない。クラッシュに際して自分の身体を守ると同時にボディ剛性も向上できる。近年の製品はパイプのレイアウトが工夫されており、乗降性もノーマルと同等だ。

 続いてはサスペンション。見て分かるとおりHA36型はやや腰高感があるボディ形状なので、ローダウンして安定感を高めることが必須といえる。前述のとおり開発が盛んに行われた車種なので、車高調は選び放題だしセッティングのデータも多い。

 もちろんエンジン系のツボはNAとターボで異なり、NAなら昨年あたりからリリースが始まったチューニングECUで、電子スロットルのコントローラーと併せて使用すればよりベター。乗った人ならわかると思うが純正はパワー感もトルク感も乏しく、レスポンスも決して褒められたものではない。スポーティさはまったく感じられないが、上記の2アイテムでお世辞じゃなく『別モノ』に変貌を遂げるのだ。

 ターボならエンジンを壊さず不安なく走るためラジエーターやオイルクーラーといった冷却系。モチロンECUやタービン交換も効果大だし魅力的だが、すぐオーバーヒートしては宝の持ち腐れになってしまう。

格安なL275型ミラや新車の現行型コペンも高い戦闘力を誇る

 最後に「あえて違うクルマで勝負!」という人に向け、HA36型アルト以外の選択肢をNAとターボで1台ずつ紹介したい。NAなら『東北660選手権』の主力マシンである、ダイハツのL275型ミラが低価格にして高い戦闘力だ。車重こそHA36型アルトにおよばないが、長いホイールベースは高速コーナーで安定感があり、パワーもトルクもあるKFエンジンのおかげで上り勾配でも力強く加速する。また、中古のレースカーを手に入れやすいのもメリットだ。

 ターボなら現在も新車が買えるLA400K型コペン。長らくの課題だったECUが解析されたことでチューニングの可能性がイッキに広がり、同じオープン2シーターのS660より積載量が多い点も見逃せないメリットになるだろう。

 紹介した3車種はいずれも新しめのモデルばかりなので、まだ大がかりなリフレッシュの必要性がなく、純正パーツも社外パーツも入手に困ることがない。2022年のモータースポーツはシーズン開幕が目前に迫っている。この機会に楽しくも奥深い軽自動車レースに足を踏み入れてみよう!

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