下位グレードを購入して車両代の差額分をカスタムする手もアリ
要するに、走る装備はほとんど変わらないのである。しかもタイヤ&ホイールを交換してしまうなら、RZである必要はない。ちなみにデフは全車トルセン式LSDが装着されるので、ここでも差がない。RZのみスポーツブレーキパッドが装着されるが、数万円で好みのブランドのスポーツパッドに交換すればいいとなる。
ならば差額の分、チューニングしたほうが良いとも考えられる。30万円の価格差があればスポーツパッドと、国産ハイグリップラジアルタイヤは無理でも、セカンドグレードやアジアン系のハイグリップタイヤと、鋳造のスポーツホイールで約20万円。あと10万円で入門向けの車高調なら揃えることが可能だ。LSDは標準のものでも十分サーキットを楽しめるので、もうこれでスポーツ走行パッケージが完成してしまう。
もうひとつの選択として、とりあえずSZなら17インチのタイヤ&ホイールなら見た目は十分なので、タイヤのみハイグリップタイヤへの交換で約10万円。さらにシートをスポーツシートに交換した場合、片側約10万円でシートレール込みで左右合計で約20万円。つまり30万円でスポーティなカスタムができてしまう。
ある程度いじって遊ぶならRZである必要はなく、その差額で十分にサーキットパッケージを作ることができるのだ。17インチの純正ホイールも不要なら、RCを選べばもっとお得。その差額で20万円でタイヤ&ホイールを買ってもいいし、ホイールだけでなら鍛造ホイールも手の届かない価格ではない。
リセールを考えると「RZ」が幸せになれるがカスタム派はその限りではない
では、RZとはなんだったのか……。先代モデルでは、GTとGの間には大きな差があった。GTはスマートキー&オートエアコン、Gはキーレスエントリーは付いているが、プッシュスタートではなくカギをイグニッションに挿して始動。エアコンはマニュアルだったし、それらすべてがGR86では統一化され、スマートキー&オートエアコン付きとなる。
とはいえ、先代の中古車相場の動きを見ていると、新車時以上の差が出るのが常。先代では30万円ほどだった新車時の差が、中古車相場になると50万円以上の差になっていることが多かった。となると、RZには売るときの優位性がある可能性が高い。スピーカーの数も多く、内装の質感も高い。純正タイヤも高性能なので、しばらくはノーマルで楽しもうとか、そこまで改造しないで楽しみたいと思っているならRZを買った方が、乗り換え時にメリットがありそうだ。