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R33GT-Rを手放して乗り換え! 30代の若きオーナーがセリカXXのトリコになったワケ

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

今となっては希少な前期型の2800GT

 今回、購入した2代目のセリカXXは1981年にデビューしたスポーティクーペ。フロントに搭載された直列6気筒エンジンは、排気量2.8リッター(ソアラにも搭載)および排気量2リッターという2種だった。1983年に実施されたマイナーチェンジで後期型となり、1986年に生産終了となった。トヨタ・セリカXX

 Tさんの愛機は前期型で、排気量2.8リッターのDOHCエンジンを積んでいる上位グレードだ。現在、中古車市場に出まわっているセリカXXの多くが2リッター版なので、2.8リッター版は超稀少車だといっていい。前期型は本来フェンダーミラー仕様だが、Tさんが買った個体は後期型用のドアミラーを装備。エンケイのホイールがいいアクセントになっている。純正品ではないリヤウイングは、ホンダ・プレリュード用ではないか? とTさんは分析しているそうだ。トヨタ・セリカXX

 そのような“売り物が僅少なレアカー”のインテリアを確認すると、デジタルメーター、スピードアラーム、メーター照度調整機能、クルーズコントロール、マップランプなどを装備。もうこれ以上何も必要ない、と思えるぐらいのラグジュアリーなクルマだった。筆者が愛用しているアルファロメオGT1600ジュニアが1974年式なので、わずか8年でクルマがここまで進化したのか……と心底驚いてしまった。トヨタ・セリカXX

 ちなみにセリカXXの購入動機を伺ってみたら、6つの回答をしてくれた。その1:子どものころに乗った記憶がある、100km/hを超えるとキンコン鳴るクルマが欲しかった。その2:リトラクタブルヘッドライトのクルマが欲しかった。その3:セリカXXの3ドアファストバッククーペというシルエットが好きだった。その4:この個体がキレイだった。その5:デジタルメーターを装備していた。その6:お店が信頼できそうだった……と言うのだ。トヨタ・セリカXX

 上記の要素が揃っていたので“一度乗ってみたい”と思い、購入を決意したようだが、シルエットだけでいうと三菱のスタリオンも気になったのだという。しかし、コンディションがいい売り物が無くてコチラは断念。セリカXXは昨年の年末にインターネットで見つけ、R33型GT-Rを下取りに出してゲットすることにした。トヨタ・セリカXX

「MT仕様で4人乗りのちょっと旧いクーペを探していたら、たまたま上質なセリカXXを発見しました。MT仕様で4人乗りのクーペが欲しいのなら、86やBRZでいいんじゃないの? と思う方がいると思いますが、ちょっと旧いクルマが欲しかったのでセリカXXをチョイスしました。高年式車ではBMWのM3やM4も愛車の候補でしたが、高価ですし、自分ではイジれないのでパスしました」

トヨタ・セリカXX

今後はイベントにも参加したいと意気込む

 セリカXXを購入したあとに、資料として往時のカタログ、カーグラフィック、復刻印刷版のモーターファンなどを買い、チョロQやミニカーもゲットしたTさんは、愛車のことを高級車ならぬ高旧車だと話してくれた。ちなみにミニカーはハイストーリー製の1/43スケールで、Tさんの愛機と同じ前期型を再現。同じ内装色で、ホイールも似ている点がお気に入りだ。トヨタ・セリカXX

 高旧車というキーワードでインターネット検索すると、まったく違う方向性の二輪/四輪がヒットするが、エンジンルーム内に配線がビヨォ~ンと伸びる作業灯まで装備しているTさんのセリカXXを見ていたら、高価な旧車のことを高旧車と呼んでもいい、と思ってしまった。トヨタ・セリカXX

 これから、さまざまなイベントにエントリーすると意気込むTさん。もしもイベントで見かけた際は、愛機のコンディションの良さをチェックしてみてほしい。超稀少な高旧車なので、内外装の状態のよさを確認する際には、くれぐれも触らないでいただきたい。トヨタ・セリカXX

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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