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「乗り心地悪し」の酷評は「公道を走るF1」なんだから当然! フェラーリF50誕生の真実

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/Ferrari/LAMBORGHINI

創設50周年を記念して登場したF50

 フェラーリ創設40周年を記念して、エンツォ・フェラーリ御大が最後に手掛けたフェラーリF40は、“そのままレースに出られる市販車”として開発されました。開発を担当したゲルハルド・ベルガーをして「雨の日には絶対に乗りたくない」と言わしめたエピソードは、以前にも紹介しました。

 同社の創業50周年記念モデル、F50はさらに過激に“公道を走るF1!”を標榜して誕生しました。今や5億円の値もつく一方で、じつは乗心地が悪かった、とのインプレッションも聞かれるフェラーリF50を振り返ることにしましょう。

“そのままレースに出られる市販車”から“公道を走るF1!”へ

 モータースポーツにおけるホモロゲーション(車両公認)取得のためのベースモデル「288GTO」の後継は、フェラーリの創業40周年記念車であるF40とされ、その後継モデルが50周年記念車のF50でした。

 288GTOは実際に、モータースポーツを戦うために企画開発されたモデルでしたが、F40は“そのままレースに出られる市販車”が開発のコンセプトでした。それを受けて約10年後に登場したF50の開発コンセプトはさらに過激となり“公道を走るF1!”と謳われていました。

「リヤに記念のバッチが付いているんだ!」と自慢するような御同輩の周年記念モデルとは、ちょっとばかりレベルの違いを感じさせられます。ですが、F50の後継モデルは、御大の名を名乗るエンツォ・フェラーリ、さらにラ・フェラーリと続くフェラーリのスペチアーレ(特別仕様車)の流れには、もう開いた口がふさがりません。

 まあ、そんな与太話はさておき。“そのままレースに出られる市販車”を開発コンセプトにおいたF40は、鋼管スペースフレームにカーボンパネルなど強度を持ちながら、圧倒的な軽さを誇る新素材などを多用していました。組み上げられたシャーシに、グループCレースで活躍したランチアLC2から転用発展させたV8ツインターボを搭載しています。当時最新のレーシングテクノロジーがあちこちに窺えるハイスペックな1台に仕上げられました。さらに結果的にも、エンツォ・フェラーリ御大が最後に手掛けたクルマとして大きな勲章を得ることになりました。

 そんなF40の後継モデルとなるからには、F50にも、最新のテクノロジーに加えて“大義名分”が必要になってきます。そこでモータースポーツにおける最高峰で、フェラーリ自身の存在理由ともされているF1を引き合いに出して“公道を走るF1”が開発コンセプトに決定しました。

 そしてエンツォの息子でエンツォ亡き後はフェラーリの副会長に就いていたピエロ・ラルディ・フェラーリのアイデアにより、F1のエンジンを搭載したロードカー、というイメージができあがりました。具体的にはレーシングカーのコンストラクターとして多くの商品を世界中に販売してきた実績を持ち、またトップのジャン・パオロ・ダラーラのランボルギーニ・ミウラを手始めに数々の(ロードゴーイングの)名車を手掛けてきた経歴から、ダラーラ・アウトモビリにカーボンコンポジット製モノコックの製作を依頼。

 そのカーボンコンポジットのモノコックに、1992年シーズンのF1世界選手権を戦ったF92Aに搭載されていた自然吸気3.5L65度V12ツインカム(4カムシャフト)60バルブの、ティーポ040(E1 A-92)をベースに4.7Lにまで排気量を拡大したティーポ040改を搭載。

 トランスミッションはF1のF92Aの7速セミATではなく、ハイパフォーマンスのロードゴーイングでは一般的な6速のマニュアルトランスミッションに変更されていました。サスペンションはF92Aに範をとった、モダンなレーシングカーでは一般的なプッシュロッドとベルクランクを使用したインボード式ダブルウィッシュボーンとなっています。

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