昔からイジればイジるほど値がつかなくなると言われた
お金と手間を注ぎ込んで作ったチューニングカー、もし手放すなら少しでも高い値段で売りたい。昔から「改造すればするほど売りにくくなる」なんて話をよく耳にするが、最近はインターネットを介した個人売買や買取専門店、なかにはチューニングカー歓迎なんて謳い文句も聞く。それぞれのメリットや注意すべき点を考えてみたい。
ディーラーなどでの下取り査定は期待できない
最初にディーラーや一般的な中古車店のケースを。マフラーやホイールの交換レベルなら査定に大きな影響はないと思われるが、逆に考えれば極端なプラスに働くこともないので、メリットは少ないだろう。またチューニングにしろドレスアップにしろ、内容が過激なほど買い叩かれる傾向は強い。
新しいクルマを購入するための下取りなら多少は色を付けるかもしれないが、根本的にチューニングカーを売却する手段としては不向きと考えていいはずだ。
買取専門店はプラスになる可能性アリ
続いては買い取りをメインとしたお店。独自の販売ルートを持っていたりユーザーに直販する場合もあり、必然的にディーラーなどより買い取りの金額は高くなることが多い。
とくに誰もが名前を知っているような有名メーカーのパーツ、例えばレカロのシートやBBSのホイールなどが付いていれば、買取店での査定額はさらに上がる可能性が高いとのことだ。
もうひとつ注目したいのはカテゴリーや車種を絞った専門店。エアロやローダウンといった見た目で分かるカスタムは当然として、エンジン内部のチューニングや駆動系といった見えない部分、ボディのスポット増しや内装レスですら忌避されにくい。なお査定の基準や力を入れているモデルはお店により異なるものの、何年前にどこのプロショップでチューニングしたかを証明できる、注文書や見積もり書があって初めてプラスになることもあるので注意しよう。
個人売買は高く売れる可能性がある反面トラブルにも注意
続いては業者を仲介しない個人売買だ。売り手と買い手がダイレクトに繋がり、中間マージンが発生しないため、売る側は高く買う側は安いとウィンウィンであることは間違いない。
ただしインターネットが誕生する以前から、個人売買にはトラブルが付きものでもある。付いているはずだったパーツがノーマルだった、いつまでも名義変更されずに連絡すら取れない、アチコチ壊れて修理ばかりでマトモに走れない。売るにしても買うにしてもリスクがあることを理解できない人は、厳しい言い方だが個人売買を利用するべきじゃないだろう。
パーツ単体で売る場合は赤字になる可能性大
最後は社外パーツを外したうえで、クルマとは別に売却する方法。車両のコンディションやパーツの内容によりけりだが、売却の金額だけでいえばもっとも高くなる可能性はある。
とはいえDIYで作業するには技術も設備も限界があるし、プロショップに依頼すれば当然ながら工賃が発生し、相殺したらプラスどころか赤字になるかもしれない。そう考えると個人でノーマルに戻せるのはタイヤとホイール、あとはマフラーやサスペンションくらいが限界だろうか。
チューニングカーの売却はいずれの方法にせよ一長一短だ。ライトチューンで人気のある車種は通常の買取店、ハードチューンであれば改造車を得意とする専門店、リスクを承知のうえで高く売りたいなら個人売買、安全に作業できる技術と環境があればパーツ単体。カーライフを彩ってくれた大切な相棒だけに、手元を離れるときまで後悔のないようにしたい。