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ご先祖さまは工場の荷物運搬車だった! 愛され続けて70年のワーゲンバスの歴史

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/VOLKSWAGEN/Auto Messe Web編集部

T2(1967年~ 通称レイトバス)

 最初のトランスポーター、「T1」は1950年に登場し、ビートルと同様に細かな改良を重ねながら進化を続け、1967年には2代目モデルの「T2」に移行しました。エクステリアはキープコンセプトでしたが、現実的には一新するフルモデルチェンジとなっています。フロントウインドウが、それまでのセパレート式から1枚モノに変更されたのが最大の相違点。空冷エンジンをリヤに搭載するパッケージは変わることなく継承されていました。

四角いフェイスになったT2

T3(1979年~ ヴァナゴン/カラベル)

 1979年には2度目のフルモデルチェンジで「T3」に移行しています。T2からT3へはデザインを一新するだけでなく、イメージも一新。タイプ1のビートルが「ゴルフ」に置き換わっていたように、直線的なデザインとなって随分とモダンなルックスに生まれ変わっていました。エンジンも当初はヘッドのみ水冷化した空冷エンジンが搭載されていましたが、やがて完全な水冷エンジンに載せ替えられています。直前には前輪駆動にコンバートされるのでは、とも噂されましたがリヤエンジンのパッケージングは、このモデルチェンジでも不変でした。

T3世代の途中からエンジンが水冷化

T4(1990年~ 北米名ユーロバン)

 4代目となる「T4」は1990年に登場しています。このモデルチェンジでは、リヤエンジンからフロントにエンジンを横置きマウントして前輪を駆動するよう、パッケージングが一新されています。それに合わせるように、それまでの1ボックススタイルからセミキャブタイプへとエクステリアデザインも一新。また搭載されるエンジンも2Lの4気筒と2.5Lの5気筒とふたつの直列エンジンに加えて、上級モデルでは2.8L VR6(狭角V型6気筒)もラインアップ。また直列4/5気筒のディーゼルエンジンも選べるようになっていました。

T4からフロントエンジンに変更された

T5(2003年~)

 2003年には5代目の「T5」に移行しています。このモデルチェンジではセミキャブタイプの1ボックスのまま、エクステリアもキープコンセプトでした。搭載されるエンジンがさらに大型化されガソリンエンジンは3.2LのV6と2Lの直4、ディーゼルエンジンは2.5Lと1.9Lの直噴ターボが用意されていました。またこのモデルから前輪駆動に加えて4輪駆動の「4モーション」も選べるようになっています。

T5世代以降は日本に正規輸入されていない

T6(2015年~)

 さらに2015年には6代目の「T6」に移行。そして今年、2022年の3月には新世代のID.Buzzが発表されています。これは乗用車でも同様のことが繰り返されてきましたが、モデルチェンジの度にパフォーマンスも環境性能も向上しています。もちろんそのことに異を唱えるわけではありませんが、その一方でボディは一層肥大化し、車両重量も重くなっていきました。これについては判断の分かれるところですが、デザイン的にもT1やT2が懐かしい、と感じるファンは決して少なくないように思われます。

キャンピングカー仕様は「カリフォルニア」の名で販売

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  • VW工場で使われていた荷物運搬車
  • オランダ人ベン・ポンが描いたイメージスケッチ
  • エンジンはリヤに配置、さらにリヤにリダクションハブ
  • 1950年に発売されたVWタイプ2(T1)
  • キャンピングカーは今でも根強い人気
  • 四角いフェイスになったT2
  • T3世代の途中からエンジンが水冷化
  • T4からフロントエンジンに変更された
  • T5世代以降は日本に正規輸入されていない
  • キャンピングカー仕様は「カリフォルニア」の名で販売
  • 欧州では5月から受注スタートするVWのBEV「ID. BUZZ」
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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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