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さすがのR35GT-Rでも初期型は怖い! 多少ムリしてでも高年式の中古を選ぶのが正解だった

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

  • 2007年デビューのGT-R

  • 新型フェアレディZ
  • 記録簿のイメージ
  • 2007年デビューのGT-R
  • R35GT-RのVR38DETTエンジン
  • R35GT-Rの駆動系
  • 2007年式の初期型GT-R
  • R35GT-RのGR6トランスミッション

中古車相場が高騰しはじめたR35GT-Rの中古車選びのポイントとは

「もはやため息しか出ない」、年々高騰している国産スポーツカーの中古車相場。なかでもトップクラスの値上がりを見せているのは、ご存じ日産スカイラインGT-Rだ。第2世代と呼ばれるR32・R33は500万円~1200万円、R34に至っては1300万円~3500万円が平均相場。上限は大きく変わっていないが、下限がじわじわと上昇中で、ますます買えないクルマになりつつある。それに引っ張られてR35の相場も上昇している。4年前の下限は500万円であったが、2021年には600万円に、さらに昨年の新車受注ストップの影響もあって、現在は(2022年3月時点)は700万円に限りなく迫っている。GT-Rプレミアムエディションの2018年モデル

 さらに、これまでの相場の動きと異なるのが、年数が新しいモデルほど価格の上げ幅が大きいこと。4年前には1000万円強で買えた2017年モデルが今は平均1500万円と500万円もアップ。ただし、2021年モデルと比べても大きく相場が変わらないので、後期型の人気が全体的に上昇したと考えることができる。中古車は年数が経過すると値下がる常識はもはやGT-Rには通用しない。

総額700万円ではどのようなモデルを手にすることができるのか⁉

 ここからが本題。今、R35を買うためには最低700万円の予算が必要だ。では実際に買うことを考えたシミュレーションしてみたい。まず、その価格でどのような個体か買えるのかといえば、年式は2007~2008年式の初期型、車齢でいえば14~15年落ちだ。以前は走行距離10万kmを超えている個体もちらほら見受けられたが、今はほとんどが7万km以内。安いものは動きが早いのかもしれない。ポテンシャルはいまだ一級品だし、チューニングやメンテナンスも確立されているので、維持してくことに大きな問題はない。2007年式の初期型GT-R

 ただ、タイヤ、ブレーキ関係の消耗品もデビュー当時よりも安くなったとはいえ、通常のクルマより何倍もするし、法定費用も保険代もバカにならない。欲をいえば購入後の整備費用として100万円はみておきたいところ。つまり維持はそれなりにハードルが高い。特別にR35GT-Rにこだわりがなく、興味本位で「一度は乗ってみたいなぁ」という程度なら、ほぼ同じ価格で買える新型フェアレディZのほうがランニングコストも安く、安心して乗れるのは間違いない。

新型フェアレディZ

不具合が出やすい初期型R35を買うなら記録簿の有無は重要

 実際に中古車販売店で初期型を購入するにあたってのチェックポイントは、まず大前提として初期型には不具合が出るポイントがいくつかあること。クルマ好きならご存じかと思うが、R35は2011年式モデルで一定の完成を迎えている(※そのため安心して乗るにはこれ以降のモデルが良い)。それ以前のモデルについては毎年、日産がその時点での持てる技術を駆使して作り上げ念入りにテストしてから販売されてはいるが、一般のユーザーが乗ることで起こりえる不具合までは検証しきれておらず、初期トラブルもあった。

 なにせ、日産において世界のスポーツカーと対峙するモデルはR35以前には存在しなかったわけで、前例のないもの生み出すには時間が必要だったのだろう。つまり、初期型(2007~2010年)においても、モデルが古いほどトラブルが出る可能性があることをまず頭に入れておいてほしい。

 最初に確認すべきは記録簿の有無。GT-Rの初期モデルはメーカーが実施したサービスキャンペーンやリコールが実施されており、後述するチェック部位もあるので、それらを確認するためにも記録簿は絶対にあったほうがいい。真っ先に販売店に記録簿があるかどうかを聞いて、メンテ歴を確認しておきたい。また、費用を少しでも抑えたいのならば、タイヤの残り山(R35は内減りするので下まで覗き込んで念入りに)やブレーキローターやパッドの残量はチェックすべきだ。判断しづらい部位も多いので、R35GT-Rに精通する仲間や知り合いと一緒にチェックするほうが、ハズレを引く可能性はより軽減するはずだ。記録簿のイメージ

エンジン始動後に足元から聞こえる「カラカラ」音が出ていたら要注意

 次に見ておくべきは超初期モデルでよく起こる「フライホイールハウジングのベアリング」のガタ。これはフライホイールハウジング内の支持ベアリングがスラスト(前後)方向にガタつくもの。そのままでも走行はできるが、酷くなるとクランクシャフト支持部やトランスミッションにも影響がおよぶ可能性がある。ガタは本体を降ろさないと判断はできないが、停止中のアイドリング時に足元から「カラカラ」と音が聞こえたら要注意。記録簿などがあれば交換履歴の有無はもちろん、実際にエンジンをかけさせてもらって確認しておきたい。症状を確認できる目安は5万km以上だ。R35GT-Rの駆動系

 また、トランスミッションはR35のアキレス腱的なポイント。不具合は2014年以降のモデルではほぼ解消し、今ではあまり耳にする機会は減ったが、初期型はトラブルが出るポイントがいくつかある。まずひとつ目はオイルシールで、一部が欠損してギヤチェンジができなくなる。その場合、ミッションを開けて部品を交換するしかない。

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