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ロシアの大統領車「アウルス・セナート」の正体とは

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TEXT: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)  PHOTO: AURUS Motors/Presidential Executive Office of Russia

厚いカーテンに覆われた完全プライベート空間

 ほかにも気になるディテール&オプション装備としては、リヤガラスを内側より覆うカーテンが、狙撃を避けるためか、一分の隙もないほどピッタリ閉まるところ。防弾仕様でなくても窓ガラスは元より二重ガラスで、遮音はともかくロシアの天候に合わせてか、遮冷熱仕様だとか。

標準サルーン版のリヤシートもカーテンがぴったり閉まるようになっている

 またルーフ後端のドルフィンアンテナが、ボディの巨躯ぶりを思えば特大というぐらい大きく、通信性能の強力さがうかがえる。対応する衛星通信システムは当然、「GLONASS(グロナス)」であると公開されている。さらにハイエンド・リムジンのお約束である、リヤシートの冷蔵庫はシャンパンではなく、ウォッカを冷やせる設計だとか。

かなり大きなドルフィンアンテナ

「ユニバース・ブラック」は事実上の大統領専用色

 ウクライナ侵攻より以前、サミットや国際会議などの折に、ロシア連邦警護庁やロシア大使館が持ち込んだことで、欧州諸国や日本の公道でも、アウルス・セナートはすでに距離を刻んでいる。そしてセナートに用いられているのはモジュラー・プラットフォームで、今後、SUVである「アウルス・コメンダント(司令官の意)」も登場する予定とのことだ。

市販されているリムジン仕様の後席

 なお「ユニバース・ブラック」と恐ろしげな名前のボディカラーをまとった、「セナート」(元老院の意味)の名が冠されたリムジンが、今のところステート・リムジン(国家元首のリムジン)としてしか用がなく、たったひとりしか使用していないという事実が、そもそもロシアにおける独裁体制の強力さを象徴しているともいえる。

 膨大な投資と開発の末に立ち上げられたばかりのアウルス。この新興自動車メーカーから民間向けの車両が今後、どれほど生産されることになるのか、その行方はまだ分からない。

モスクワのアウルス・ショールーム

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  • エジプトのエルシーシ大統領を助手席に乗せて自らアウルスを運転するプーチン大統領
  • プーチン大統領はしばしば自ら愛車のハンドルを握って移動している
  • 2021年5月にアウルスの量産体制がスタートした時はプーチン大統領が祝福した
  • ロシア製の高級リムジン「アウルス・セナート」
  • かなり大きなドルフィンアンテナ
  • 標準サルーン版のリヤシートもカーテンがぴったり閉まるようになっている
  • ボディをストレッチしたセナート・リムジン
  • 市販されているリムジン仕様の後席
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