ドライブシャフトが破損してしまうことも
駆動系の締めはドライブシャフト。よくパワーアップでドライブシャフトが折れたというが、いわゆる金属シャフトの部分が折れることはまずない。ジョイントと呼ばれるベアリングが入っている部分が粉砕したり、焼き付いたりしてしまう。これも負荷が増えることで、内部に入れられているグリスが熱によってドロドロどころかサラサラになってしまい、潤滑切れから焼き付くことが多い。パワーアップした際には、ドライブシャフトグリスの入れ替えやオーバーホールも先手を打ってしておきたい。
速くなり負担が増えるブレーキは一番に対策を
そして、ビックリするほど負荷が増えるのはブレーキ。とくにサーキット走行するなら、パワーが20%上がったとしたら、パッドの減りは40%早くなる!? と思うくらい負荷が増える。これこそ二次曲線的にパッドが減ったり、フェードやベーパーロックもしやすくなる。連続での全開走行を止めたり、ブレーキを冷却するダクトやガイドを付ける、そもそもローターを大径化する、キャリパー交換するなどの対策が必要になるのだ。
基本となるエンジンオイルの管理はより厳密に
パワーアップに際しては、もちろんエンジンオイルもシビアに管理したい。出力が上がった分だけエンジンの負荷は増えているので、オイル交換を早める、粘度を上げる、グレードの高いオイルにするなど、よりシビアに管理するべき。まずは、どれくらい負荷が増えたのか油温計で温度推移を見て、油圧計で新油から使っていくごとにどれくらい油圧が落ちていくかなど、現状を把握することから始めるのがオススメだ。