先読み運転を心掛けると丁寧なアクセル操作につながる
レースのオンボードカメラの中継で、超高速で走っていながらプロフェッショナルなレーシングドライバーのハンドルさばきがゆっくり見えるのはそのためだ。アクセル操作も、前のクルマばかり見つめるのではなく、数台先やさらにその先の遠くのクルマの流れを見て、前のクルマがブレーキを踏む前からアクセル調整で速度を調節する先読み運転を心掛ければ、丁寧なアクセル操作につながる。
雪道で滑らかな運転ができる人、電気自動車(EV)などでのアクセルのワンペダル操作を使える人、また同乗者がクルマ酔いをしたり怖がったりしない運転ができる人は、ミッドシップカーの運転を素早く身につけることができるだろう。近年、ワンペダル操作は走りがぎくしゃくしてよくないとの声を耳にするが、そういう人は「急」のつく運転操作をしている可能性がある。
そのうえで、サーキット走行をするとき、ピットロードからいきなり全力加速をさせている人をよく見かけるが、そういう運転をしているとミッドシップカーは難しいと感じるかもしれない。サーキット走行には完熟走行がつきものだが、ゆっくりした速度で周回する間にミッドシップの動きを感じ、反応の素早さを意識できれば、その先は思い通りの運転ができるだろう。
プロフェッショナルなら、毎日のようにサーキットを走っているので、ピットロードからいきなり全力加速させても、ミッドシップカーの動きは身についている。しかしアマチュアであるなら、まず完熟走行で日常乗り慣れたFFなどと違う素早い応答を体に覚えさせる必要がある。ピットロードはゆっくり加速し、安全を確認し、コースインし、怖くない速度で特性を感じ取る段取りを踏めば、ミッドシップカーといえども難しくはないのである。