スバルは車中泊向きのモデルが多い
水平対向エンジン、シンメトリカルAWDといった大きな特徴を持つスバルのラインアップ。OEMの「ジャスティ」(軽自動車)を除くと全8車種の展開だが、そのなかでアウトドア、そして車中泊が可能な車種といえば、クロスオーバーモデル、SUV、そしてツーリングワゴンの3車種(アウトバック、フォレスター、レヴォーグ)となる。つまり、半数弱がアウトドアや車中泊に適しているという、特異なラインアップでもある。
【1位】車内の高さに余裕のあるフォレスター
そのなかでもっともお薦めできるのは、やはり「フォレスター」だろう。なにしろ後席をほぼフラットに畳んだときの拡大ラゲッジスペース=ベッド長は1860mmに達し、当然、背の高い本格SUVだけにラゲッジフロアの最小天井高が810mmと、ワゴンのクロスオーバー版の「アウトバック」の740mmより余裕があるからだ。そう、たとえベッド長がたっぷりあっても、そのときの天井高が低ければ、閉鎖感ある車中泊になってしまうのである。
また、フロア最小幅も1100mmと、セミダブルベッドの幅1200mmに近いから、ふたりでの仮眠や就寝でも横方向の狭さを感じにくいのだ。さらに純粋なラゲッジフロアと格納した後席部分に段差がなく、角度も最小限だから、寝やすさ抜群と言っていい。
【2位】総ベッド長が最大のアウトバック
しかし高身長の人なら、今ではスバルのフラッグシップモデルとなった、新型「アウトバック」のほうが車中泊に適していると言えなくもない。というのは、後席を格納したときの最大前後長2050mmはともかく、フロア長そのものも1670mmにして、後席用ヘッドレストを逆付けして枕代わりにすれば、総ベッド長は1900mmに達するのである(フロア最小幅は1100mmとフォレスターと同じ)。最小天井高はフォレスターに対して50mm低まるため、車内のお座敷化という点では不利だが、後席格納時の拡大フロアは段差なく、ほぼフラット。純粋なベッドスペースとしては合格である。
【3位】レヴォーグも仮眠程度ならイケる
では、スポーティなツーリングワゴンである「レヴォーグ」はどうか。さすがにフォレスターやアウトバックほどのボディサイズを持たないため、後席格納時の拡大ラゲッジスペースは1632mmにとどまる(最大荷室長1940mmは前席背後までの距離でフロア長とは異なる)。
とはいえ、後席用ヘッドレストを逆付けして枕代わりにすれば、実質1700mm程度のベッド長になるから(フロア最小幅はなんとフォレスターとアウトバッグ同一の1100mmだから偉い!)、身長170cm以下の人なら真っすぐに横になれることになる。問題は拡大したラゲッジフロアの天井高で710mm。フォレスターより100mm、アウトバックより30mm低くなるから、寝ることができたとしても天井が迫る感じになり、仮眠程度が無難だと思う。
【番外編】XVは大人の車中泊には向かない
ちなみに「XV」もアウトドアには似合い、悪路の走破性は本格SUVに迫るほどだが、さすがに後席を格納してもベッド長は1390mm+後席ヘッドレストの逆付けで枕にしても最大1600mm程度だから、それ以上の身長の人には、天井高の低さもあってあまりお勧めはできない。
ということで、スバル車で車中泊するならその快適度でランキングにすると、フォレスター→アウトバック→レヴォーグの順になる。