DXを活用するなどファン獲得に向けて新たな手法も検討
──これからのファン拡大に対して、現在はどのようなことをお考えでしょうか?
DX(デジタルトランスフォーメーション)をきちんとやっていきたいです。また、サーキットへ来てくれるお客さんへの対応も重視します。外(これまでモータースポーツに興味のなかった人たち)にどんどん広げていっても、どれだけ広がっていけるのか? という課題があります。そうであれば、そこの目算を立てるより、まずは実際に足を運んでくれたお客さまの満足度を向上させてあげること。そういうことをひとつの目標にしています。
例えばサーキットに来ている人が、場内でレースのライブ映像をスマホなどで見られるようにするとか、そこにオンボードカメラのライブ映像を入れるとかも検討しています。来てくれるお客さんを固定するものと、それを外に伝える部分、YouTubeでの映像配信を重視していきたいですね。
YouTubeでの映像の無料配信は拡散のためなので、許される限りはこのままでいいと思っています。課金システムという限られたものする、例えば格闘技のようにチケット制にして配信というのも手法ですが、すでにひとつの方式としてJ SPORTSでの有料放送があり、そこですでにライブ配信を展開し、お金をいただいています。そのライブ配信をまずサーキット場内にいる人に無料でお届けして、よりレース展開がわかるようにすること。ビジョンのないところで観戦している人に伝わるようにしたいですね。その次の段階として、1週間後にレース映像にオンボード映像を入れた画像をYouTubeでアップしていくということ。これも年間を通せばすごい予算が必要ですが、それでモータースポーツを、スーパーGTを知ってもらうのがまずひとつですね。
何も知らない方にアプローチしても、サーキットにはなかなか来てくれません。ある程度知っている、オートメッセなどの自動車系イベントに来てくれる人はもちろん、サーキットを主体に考えるなら走行会に来ている人たち。走行会に来ている人から広げるなら、JAFのライセンスを持っている人たち。そしてJAF会員の皆さん。さらにはクルマを買ったという人たち。それは楽しみで買ったクルマから便利なクルマを買った人もいます。こういった方たちにもこっち(スーパーGT)を向いてもらいたいですね。
これを課金にしてしまったら、どんどん(知っていただける方の)範囲が狭まってしまいます。こちらを向いていただければ、いずれはお金をいただくかもしれませんが、まずはスーパーGTを知ってもらうためにできることをやる。そうすればお客さまは増えてくると思っています。
新しいフェーズに突入するこれからのスーパーGTに注目だ
コロナ禍という厳しい状況のなか、どれだけスーパーGTの魅力をファンに届けられるか、ということをつねに考えている坂東代表。まだまだコロナ禍以前と同じように自由にレースウイーク楽しむというのは難しいかもしれないが、だからこそ、DXなどを活用した新たな取り組みにも挑戦。さらに、カーボンニュートラルと共存してモータースポーツがこれからも発展できるようにやれることに取り組んでいく。まだまだ進化を遂げるスーパーGTに、今後も注目していきたい。インタビューの模様は姉妹サイトであるmotorsport.comでも展開しているので、そちらもチェックしてほしい。