SNS経由でクルマ好きが気軽に交流できる時代
ネットの普及に伴って増えてきたのが「オフ会」だ。オフとはオフラインのことで、オンライン上で知り合った同好の士がSAやPA、公園の駐車場などに実際に集まることを指す。現在では、TwitterやFacebookなどのSNSがその媒介となっているが、それ以前ではウェブサイト内のフォーラムが使われることが多かった。
SNSなどで盛り上がりつつ、実際に会ってワイワイと楽しむのは確かに楽しいし、それ自体は悪いことではない。参加してみても、文字と写真のやり取りだったのが、本人とその愛車を目の前にして話に花を咲かせるのは独特の楽しさがあって、新しいクルマの楽しみ方のひとつと言っていい。
※写真はすべてイメージで、会場の許可を得て開催された海外のミーティングです。
トラブル続出で「集会禁止」の駐車場が増えている
ただ、トラブルが増えているのは気になるところだ。同じクルマが複数台ずらりと駐車場に並んで、それを前にして喋り込んでいるのは、周囲から見て違和感があるのは事実。ただ通りがかりでたまたま集まっている、といった感じではないことは一目瞭然だ。派手な車種だと、さらにその違和感は増して、興味のない人から「暴走族」に見えると言われても一概に否定はできないだろう。
ニュースにもなった大黒パーキングエリアでは、LEDが輝きまくって、爆音で音楽を流したスーパーカーがずらりと並べば周囲から拒絶されるのも当然で、さらにランボルギーニ系ではドアを開けたまま走るのも問題になっていたりする。結果的に社会的な迷惑行為になってしまうと、夜間は閉鎖されて休憩などで使いたい人が使えなくなり、仲間内でのオフ会という枠から大きくハズレて問題になってしまう。ちなみに大黒PA以外でも、高速道路のSAやPAでは、最近は集会の禁止の張り紙されていることが多く、オフ会禁止としている施設もある。
違法改造や盗難といった不法行為は当然NG!
ただこれはオフ会だけの話ではなく、イベントでも今や問題が増えている。大規模なドレスアップやカスタム、さらには旧車のイベントでは、違法改造車が問題になることがある。具体的には見た目だけでなく、爆音の排気音や蛇行運転など。旧車イベントでは、細かく基準を設けて排除しているが、会場周辺をグルグルと回ったりするので主催者はどうしようなく、結局警察の登場となってしまっては関係者の努力や配慮も水の泡だ。
さらに旧車で問題になったのが、部品交換会。交換会と言っても物々交換というより、フリーマーケットのようなイベントで、川原の駐車場などでこじんまりと旧車ファンやバイク好きのために行われていた。だが次第に、程度に対して法外な価格設定、来場者の暴言、盗品の販売、ゴミの放置などの問題も出てきて衰退してしまった。
オフ会の主催者と参加者みんなでトラブルを避ける努力を
結局のところ、オフ会にしろ、イベントにしろ、マナーが一番の問題。最近ではオフ会をするにしても、事前に駐車場などの会場を予約するなど確保したり、「なんとなく来てね」ではなく申し込み制にして事前に人数を把握したり、終わったらゴミを拾って原状回復するなどの努力はされるようになってきた。そこまですれば気持ち良くオフ会を楽しめるが、トラブルがまたあれば結局、マナーよくやっていても十把一絡げで排除されてしまうことにもなりかねない。
クルマ文化が地域から受け入れられるようにしたい
アメリカでは「モーニングライド」といって、休みの日の朝に近所の駐車場にクルマ好きが集まるイベントが各地で開催されているが、問題はほぼないという。場所も地元企業が協力してくれて、駐車場を貸してくれることも多いというのはうらやましい限りだ。
コンプライアンスやSNSを使った晒しなど、これからの時代、一歩間違えばオフ会やイベントが開催できなくなってしまうかもしれない。無駄に群れず、会話に夢中にならないで周囲にも配慮。爆音や空ぶかしはもってのほか。これからも長く楽しむためにもクルマ好き同士で配慮したいものだ。