マニアも絶賛! 3万円以上する高級モデルを7年間で3000機以上販売
「その歴史を含めて名機を再現し、ファンの手元に届ける」をコンセプトに、2015年4月に他に類を見ないエンジンスケールモデル専門メーカーというジャンルで模型業界に参入した鳥取の「日下エンジニアリング」。去る2月19日〜20日に開催されたノスタルジック2Daysにて、最新作が発表された。
最新3D技術と昔ながらの手作業製造という相反する方法で形に
1/6スケールのRB26DETTを皮切りに日産、マツダ、スバルの名機を次々と商品化。続いて高級模型ビルダーとして世界に名を轟かせる東京の「MAKE UP」とミニカーとコラボアイテムを発表した。
2021年には同社のラインアップ4番目の自動車メーカーとなる、トヨタエンジン(レクサスLFA用の4.8L V10/1LR-GUE)を新たに追加し、発売とほぼ同時に東京日比谷にあるLEXUSブランド体験型施設「LEXUS MEETS日比谷」に展示された。
そのほか、NISSAN GT-Rに搭載されるVR38DETT(POWER COREモデル)が、日産公式のオリジナルグッズとして正式採用されるなど、ファンだけでなく多くのメーカーからも一目置かれる存在なのだ。
開発と設計は日本で、製造は海外というのが主流のホビー業界において、数少ない純日本製。製造方法も現在、模型業界のスタンダードとなっているリバースエンジニアリングをいち早く採用している。マスター型の製造コストを抑えつつ、1機1機ハンドメイドで丁寧に組み立てることで、リアルな再現性と精巧な作り込みでクオリティの高いフィニッシュを実現。今では10万円以上する高級商品が発売後すぐに完売するなど、その仕上がりはマニアからも高い評価を得ている。
最新作はトヨタ&マツダのライトウエイトスポーツに搭載された名機
積極的にラインアップ拡大を続ける同社が、2月のクラシックカーイベント「ノスタルジック2デイズ」にて参考出品として初披露したのが、トヨタの「4A-G」とマツダの「B6」だ。
4A-Gは1983年5月にヤングタイマー・トヨタの代表作である、AE86ことカローラ・レビン/スプリンター・トレノに初搭載され、その後コロナ/セリカ/カリーナ/MR2など幅広い車種に採用。2002年7月まで生産されたトヨタ・ミドルクラス/ライトウエイトクラスの中核エンジンだ。約20年に渡る歴史をもち、横置き/過給機付き/5バルブなど進化し続けてきた4A-Gのなかで、モデル化されるのはFR車用として誕生した初期モデル。
セリカ/カリーナ/コロナとも組み合わされたが、搭載車両として真っ先に名前の挙がるのはやはりAE86(ハチロク)だろう。名車には名機ありではないが、クルマ好きなら誰もがその存在、名前が思い浮かぶのも商品としては大事なことだろう。
一方のB6は1985年に誕生したマツダの基幹エンジンであるB型の1.6L仕様で、ファミリア系を軸に搭載されたスポーツユニットだ。今回モデル化されるのは今やライトウエイトオープンスポーツカーの世界基準である、初代ロードスターのエンジンルームにマウントされた唯一の縦置きユニット。ファミリア用よりも吸排気系が見直され、スポーツエンジンに見合うようにファインチューンが施されているのが特徴だ。3度のフルモデルチェンジがなされ、累計販売台数100万台を超えたロードスターだが、今なお初代は特別な存在。多くのファンに愛される名車のエンジンをモデル化するのは意味があるというわけだ。