新型Zに切り替わるいま、Z34の魅力を再発見
遊べる名車と言うべき存在が「日産フェアレディZ」だ。まもなく新型が発売となるいま、先代「Z34」型のトルクフルなV6 3.7Lエンジンをわずか100万円台から謳歌できるのはチャンス! そのまま乗るもよし、チューニングするもよし、いまこそZで走ってみようじゃないか!
理由1:ロングライフゆえタマ数豊富でお買い得
2002年に登場した「Z33」型は、V6 3.5Lエンジンを搭載した2シーターのスポーツカー。「Z32」型の「VG30」エンジンから「VQ35DE」にチェンジし、トルクフルな大排気量NAエンジンならではのエレガントなフィールを体感できる。それが300万円台から手に入るとあって大人気モデルとなった。
そのZ33の良さをキープしたまま、ブラッシュアップされたのが「Z34」だ。エンジンは「VQ37VHR」となり、つまり3.7L化された。ボディはホイールベースを短縮して、旋回性能をアップ。あらゆる点でZ33を超えてきたのがZ34なのだ。
走って遊ぶにはどちらもオススメだが、Z34は2008年から十数年にわたって販売された息の長いモデルだけに、初期型は100万円台から余裕で購入できる、オススメ物件なのだ。
ちなみに近いうちに登場すると言われる新型Z。こちらは形式は「Z34」のまま、エンジンが3.0Lツインターボになり、見た目も一新される。そのため、これまでのZ34は事実上まもなく型落ちになるのだが、それでもその中古車価格はお得感が強い。
理由2:イジれば400psも夢じゃないV6 NAエンジン
エンジンはこれでもかというほどパワフル。日産の誇るフラッグシップV6エンジンだけあって、始動時の「ウォ~ン」という音だけでも高級感が漂う。
チューニングパーツも豊富にラインアップされている。マフラーを変えるだけでも、その上質な音とフィーリングは高めることができ、吸排気系チューンで磨けば400ps近いパワーをNAで発揮できるユニットだ。
しかも、フィーリングは「コルベット」などのアメ車的な大排気量NAとはまったく別世界で、トルクはあるのに高回転まで回して楽しめる。エンジンだけでも十分楽しめるのだ。
理由3:サスを固めても街乗りOKな足まわり
コンパクトなボディでドライバーを中心にしたレイアウト。それに組み合わせられるサスペンションはダブルウィッシュボーン&マルチリンクで、そのしなやかな動きが特徴だ。ボディが重いことと、サスペンション形式が優れていることもあり、バネレートを高くしてもきわめて乗り心地が良い。サーキット用に20kg/mmを超えるようなレートにしても、街乗りはしっかり高級車なのである。これは軽量ボディ&ストラット式サスのクルマではできないフィーリング。サスペンションはかなり割り切った仕様にしても、普段乗りから楽しめるのがZなのである。
ミッションは、86/BRZのターボ化時の流用元としても定番となっている。それだけ丈夫で、まったく心配はない。駆動系の弱さもないので、存分に走りを楽しめる。
理由4:街乗りされていた個体なら心配が少ない
難点らしい難点は、コストが高めなところくらい。タイヤサイズはカスタマイズするとなると定番サイズが265/35R18や19インチだったり、そもそも踏むとその分ガソリンが減るとか、パッドも良く減るとか、そういった点ではお金は掛かる。しかし、それも許容できるほど高級感あるエンジンフィールがあるのがZ34なのだ。
中古車選びの際に気をつけたいポイントは……あまりない。正直ほとんどが街乗りで使われていた個体なので、そうそう傷んでいることはない。強いて言えば、サーキットで酷使されていたものは避けること。車重もパワーもあるクルマなので、メンテナンスで部品交換となるとコストがかさみがちだ。なので、できれば街乗りで使われていた個体を選びたい。
また、ABSの誤作動が起きることがあり、サーキットでブレーキの利きが安定しなくなることがある。これに関しては諸説あるが、専門店では車速ギヤの最適化やパッドの選定、タイヤサイズの吟味など、さまざまな対策が用意されているので、プロの意見を仰ぎたいところ。素人判断で部分的に対策を施すと逆効果になることもあるので気をつけたいポイントだ。