マツダCX-8
国産SUV最大級サイズの1台であるマツダCX-8も、ある条件下において、ラゲッジルームはかなり狭い! と言わざるを得ない。そう、CX-8は3列シートのクロスオーバーSUVであり、その3列目席使用時に限っては、である。
3列目席使用時のラゲッジルームの寸法は、開口部地上高800mm(高い!)、フロア奥行き500mm、幅1460mm、最低天井高725mm。幅方向はさすがにたっぷりだが、実際の荷物の積載力により大きく関わる奥行きは、5ナンバーサイズのコンパクトSUVとして人気のトヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーの730mmにも及ばない。
フル乗車でアウトドア……なんていうのは、荷物の積載力からすれば不可能だ。もっとも3列目席をフラットに格納すれば、フロア奥行きは一気に1230mmまで拡大するから、国産SUV最大級のラゲッジルームの容量、積載力が確保されることになる。
つまり、2列使用、最大5名の乗車でのアウトドアなら文句なし。家族や仲間総出でフル乗車して、単なるホテル宿泊とは違い、一気に荷物が増えるアウトドアへ繰り出す……といった楽しみ方は諦めるしかないだろう(ルーフキャリアを活用すればある程度は解決するが)。
マツダMX-30
マツダのクロスオーバーSUVは下からCX-3、CX-30、MX-30、CX-5、CX-8……と揃うのだが(PHVのCX-60も登場予定)、コンパクトカーの部類に入る、旧デミオベースのCX-3は“はなから”大容量のラゲッジルームなど期待しないはず。
そうなると、見た目に対して「思ったよりラゲッジスペースが狭い」CXシリーズの代表格!? が、BEV(電気自動車)のMX-30だ。全長、全幅、ホイールベースともにまったく同じ(全高のみMX-30のほうが10mm高いだけ)のCX-30とラゲッジスペースの寸法を比較してみると、CX-30は開口部地上高730mm、フロア奥行き890mm、幅1000mm。
一方、MX-30は開口部地上高740mm、フロア幅1000mmは同等ながら、BEVゆえのパッケージングから、フロア奥行きは800mmと、荷物の積載性に大きく関わる部分がCX-30に比べて90mmも狭くなってしまっている。
しかも、BEVに不可欠な充電コードがラゲッジルームの床下に収まらず、ラゲッジフロア右横にバッグINで固定されてドーンと置かれているため、ラゲッジルームの横幅に制限が出てしまうところも惜しまれる。
とはいえ、そもそもMX-30の一充電走行距離はWLTC総合モードで256kmであり、試乗経験では実走行距離180km前後。同走行距離のホンダe同様にオールラウンダーではなく、シティコミューターBEVクロスオーバーモデルととらえるのが正解だ。
航続距離と荷物の積載力に加え、電動車にしてアウトドアで活躍するAC100V/1500Wコンセントも持たないため、CX-30(やCX-5)とは違い、アウトドア向きとは決して言えないクロスオーバーモデルということになる。