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面倒くさがりならラッピングという手段もある! 「マットカラー」の現実とは

独特の雰囲気にカスタムできるマットカラー

維持するのが大変=高級車の特権?

 輸入車のプレミアムモデルが採用したことで話題になりつつ、今やカスタムペイントのひとつとしてすっかり定着した感があるのがマットカラーだ。「NSX」や「スープラ」などに採用例はあるものの、日本車ではいまひとつ普及しないのは似合う車種が限られるからか、カスタム色が強いのか、はたまた手入れが面倒だからか。ただし、ボディ系のパーツ単体ではけっこうあるし、バイクではかなり普及していて、ヘルメットでも流行っている。今回は純正以外、マットカラーにする方法やそのデメリットなどについて考えてみよう。

「全塗装」と「ラッピング」それぞれの○と×

 まずは方法から。マットカラーにするには大きく分けてふたつの方法があって、全塗装とラッピングだ。前者は元に戻せないだけに、基本的には修復歴が付いてしまって一般的な査定では大幅ダウンする覚悟は必要だ。ただし、仕上がりが良ければカスタム系の中古車専門店であれば高く買い取ってはくれるだろう。つまり全塗装でマットカラーにするには大きな勇気がいるわけで、費用もけっこうかかるのは当然。メリットとしては作業に問題なければ剥がれたりすることはなく、一生モンだ。

 一方のラッピングのほうがメリットは多くて、全塗装よりも費用が安く、手放すときなどは剥がしてしまえば元の色に戻せる。ただ、簡単に剥がせるかというとそんなことはなく、当たり前だがかなりガッチリと付いているので、剥がすときに塗膜が一緒に剥がれることもあり、ショップによっては念書を書いてもらうほどだ。また飛び石やなにかで引っかけたときにフィルムがキズ付いたり、めくれてしまうことがある。フィルム自体の耐久性も5年ぐらいから注意が必要と言われていて、この点は塗装よりも劣る部分だろう。

マット塗装は「手洗い」が基本なので要注意

 そしてお手入れ方法だが、ラッピングは樹脂シートなので劣化はどうしても避けられず、最悪の場合は剥がせばいいので、普通に洗車をしたりすればいい。問題は塗装で、正直なところ、かなり手間がかかるというか、注意が必要だ。

 洗車は基本的には水洗いのみで、ストレスが大きい機械洗車は避けて手洗いがベスト。ワックスやコーティングはマット塗装の特徴であるザラザラした表面を埋めてしまうのでNGとされる。ただし矛盾しているような気もするが、マット塗装用のワックスやコーティングがあるので、どうしてもという場合はそれを使えばいい。ちなみにバイクの純正マット塗装にワックスをかけたことがあるが、ザラつきが埋まってツヤツヤにはならず、ほぼそのままだったので、実際は大丈夫かもしれない。

キズや汚れの補修も大変なので保管環境も大事

 さらに大きなデメリットが補修だ。ぶつけたり、こすったりして再塗装が必要な場合、色合わせだけでなく、塗装肌を合わせるのも大変。結局は問題がない部分も含めて、広い範囲を塗る必要が出る可能性もある。鳥フンや雨粒によるシミなども付きやすいとされるだけに、屋外駐車場にカバーも掛けないで止めっぱなしというわけにはいかない。

 このあたりの手間や対応コストの高さもあって、クルマに関して言えばプレミアムスポーツを中心とした高額車が多いのだろう。一般ユーザーが楽しみたいという場合は後々のことも考えるとラッピングがオススメだ。扱いやすい高級シートを使えばDIYでも可能ではあるので、トライしてみてはいかがだろうか。

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