国産旧車の代表格「ハコスカ」と「S30Z」のカスタマイズは今なお進化中
クラシックカーファンに「国産旧車の代表格といえば何?」と問えば、多くの人が3代目スカイラインのハコスカ(C10型)と初代フェアレディZのS30型と答えるのではないだろうか? 日本最大級の旧車祭りである「ノスタルジック2デイズ」でも出展車の割合は高く、ノーマルからカスタマイズカーまで幅広い車両が展示され、主役級の存在感を放っていた。
オーナーの強い思いと理想追及で誕生したオリジナルホイール「ZERO4」
そのなかで、硬派かつレーシーなスタイルで際立っていたのが「尾林ファクトリー」ブースに並んでいたこの2台。ともにシンプルな白黒パンダ2トーンで、S30ZがTRA京都のパンデム・ワイドボディキットをまとい、ハコスカは往年のワークス仕様をベースに仕上げられている。
ボディの黒い部分はすべてレーシングカーと同じドライカーボン製。ハコスカの前後オーバーフェンダーに至っては好みの出面、長さ、空力まで配慮して製作されたワンオフ品だ。カーボン化は外装に止まらず、室内後方フロア/トランクフロア/ダッシュボードなど広範囲におよぶ。軽量化とビジュアルを満たすための採用とはいえ、これだけでも相当な金額になることは想像に難くない。
極めつきはアルミホイール。ZERO4と名付けられたコンケイブの深い4本スポークはオーナー自らがデザインし、ホイールメーカーに製作を依頼した鍛造削り出しの逸品。自分で手掛けているので完成したボディに合わせて最適なリム幅、インセットでオーダー。当然オーナー好みのツライチスタイルに仕上がるってわけだ。
L28改3Lフルチューンながら快適性も両立するバランス仕様のS30Z
個々に見ていくと、S30Zは前述したパンデムのエアロをベースに、リヤバンパーのみスピードフォルム製を組み合わせ、ビジュアルにオリジナリティをプラス。ボンネット/ルーフ/リヤハッチ(ガラスはアクリル製)/リヤガーニッシュがドライカーボン製だ。
結晶塗装が施されたエンジンは2.8L改3Lのフルチューンで、ソレックス50φの組み合わせる。そのパワーをOS技研のシングルプレートクラッチで受け止め、NISMO製の6速MTで後輪に伝える。足はアラゴスタ製車高調で、フロントのみ段差を超えるためにロベルタカップを装着。エアコン&パワステも組み込み、ビジュアルと快適性を両立している。
アルミ製ロールケージはサイトウロールケージ製。装着していないように見せる工夫をしているのもこだわり。ダッシュボードはFRP製を新調し、シートは旧車の世界で人気の高いBRIDEのヒストリックスをチョイスした。そのほか、全バラにしてレストアしているので、旧車特有のヤレた感じは一切感じられない。