マツダスピードの名はファミリアから始まった
マツダスピードの名を聞けば、ル・マンでの優勝など数々のモータースポーツでの実績を思い出される方も多いだろう。ひとつのディーラーから始まり、やがて世界一まで上り詰めたブランドがマツダスピードだ。現在はその活動を終了しているが、かつては市販車のその名を持つモデルがあった。
それが9代目ファミリアの限定モデルで、2001年5月に「マツダスピードファミリア」の名で登場。4ドアセダンに2.0L直4エンジンをチューニング、マツダスピードの名を使い、走りを訴求した。しかしファミリアの自社生産モデルは2003年に終了。ファミリアの歴史はアクセラにつながることとなる(その後はOEM)。
アテンザは2.3Lターボと4WDでGT性能の高さを披露した
その後2005年にアテンザの新グレードとしてその名が復活する。すでに海外で高い評価を受けていた初代アテンザだが、4ドアセダンにMZR 2.3 DISIターボを名乗る、新開発L3-VDT型2.3L直噴ターボエンジン(272ps/38.7kg-m)を搭載。電子制御アクティブトルクコントロールカップリング4WDシステムと6速MTの組み合わせ、専用チューニングのサスペンションと相まってGT性能の高さで注目を集めた。
現在はマツダ6へと名を変えているが、珍しく6速MTを設定していることから密かな人気モデルとなっている。次期型はFRになるといううわさもあるだけに、新型マツダ6にMTのマツダスピードが設定されれば人気となるに違いない。
エンジンは同じでもFFのアクセラはじゃじゃ馬ぶりを発揮
ファミリアの後継となるアクセラにも、2006年にマツダスピード仕様が追加されている。
こちらもエンジンはL3-VDT型だが、264ps/38.7kg-mと抑えられているものの、前輪駆動だったためにトラクションコントロールのお世話になることもしばしば。タイヤサイズは18インチだったが、アテンザとの違いを出すためか5ドアのFFだったので、兄貴分とは違いやんちゃな印象だ。
このクルマをサーキットで走らせた方で、当時はまだ標準装備した車種が少なかった、横滑り防止装置のDSCにお世話になった方が多い違いない。もちろん普通に走らせれば、それだけで元気が出るようなホットハッチである。インタークーラー用のボンネット上のエアインテークや、18インチのためのワイドボディがマツダスピードらしさを演出するが、さらに、当時人気だった大口径マフラー装着した個体もよく見かけたものだ。