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車いす使用者も介護が必要な人も買うしかない! 新型ノアヴォクの福祉車両のおもてなし度が圧倒的

新型ノア&ヴォクシーの福祉車両仕様で進化したポイントを解説

標準+ユニバーサルステップだけでもうれしい進化

 トヨタの新型ノア&ヴォクシーは、パワースライドドアと連動した「ユニバーサルステップ」を、先代の電動タイプの約20万円から、非電動のからくり機構によって3万3000円というリーズナブルな価格を実現し提供している。

 具体的には、スライドドア部分のステップ地上高が先代の360mmから380mmに高まっているものの、ユニバーサルステップのオプション装備によって、1段目のステップ地上高200mm! を実現。標準タイプ+ユニバーサルステップでも、十二分に高齢者や小さな子どもの乗降性向上に対応していると言っていい。

5種類のウェルキャブ仕様をラインアップ

 だが、ノア&ヴォクシーにはもちろん、ウェルキャブ仕様=福祉車両が用意されている。そのタイプは【1】車いす仕様車タイプI(車いす1名仕様)、【2】車いす仕様車タイプI(車いす2名仕様)、【3】車いす仕様車タイプII(サードシート付き)、【4】サイドリフトアップチルトシート装着車、【5】ウェルジョイン(ユニバーサルステップ標準装備/ハイブリッド仕様の設定あり)と、なんと5種類ものウェルキャブ仕様を揃えている。

 しかも、上記の仕様を形式指定自動車としているため、持ち込み登録の手間がなく、納車までの時間を短縮できるメリットがある。要望の多いハイブリッド車の設定があるのもうれしいニュースである。

車いす仕様は後輪エアサスでスロープの操作が楽々

 また、車いす仕様車は、従来型でも好評だった後輪エアーサスペンションによる車体後部の車高ダウンによって、ゆるやかなスロープ角度(9.5度)を実現するとともに、前倒れ機能付き手動スロープに加え、乗車から固定までの一連の操作をシンプルにする新機構を採用。乗降性を大きく向上するとともに、架装部分の価格が見直され、ユーザー負担を低減しているところも注目点となっている。

 価格は、例えばノアのガソリンモデル、Xグレード2WD、7人乗りで比較すると、ベース車両が267万円。一方、ウェルキャプのXサイドリフトアップチルトシート、2WD、7人乗りは282万5000円。車いす仕様車タイプI(車いす1名仕様)でも286万7000円である(ウェルキャブ車は消費税非課税)。

 実際に車いす仕様車に触れてみると、なるほど、簡単な操作で後輪エアーサスペンションの高さが調整でき、ラゲッジスペース床下部分からスロープを出すのも簡単そのもの。スロープの角度も、車いすを出し入れするのにまったく無理のない角度であることを確認。

 スロープの格納時に、ラゲッジスペースがかなり実用的に使える点も褒められる。これなら、例えば車いす仕様車として使わなくないシーンでも、標準型ノア&ヴォクシーとそう変わらないラゲッジスペースの実用性、積載性が確保されていることになる。

コンパクトになったサイドリフトアップチルトシート

 一方、ちょっと感動したのが、「サイドリフトアップチルトシート」装着車だった。新型ノア&ヴォクシーに採用されるリフトアップチルトシートは、乗降時の膝への負担が少ない2段折れ大型フットレストを備え、車内における着座時の膝の角度がゆるやかになり、膝への負担が軽減するため自然な角度で着座できるのだ。

 降車時も、実際に試してみたところチルト機構によって座面がやや前に傾くため、スッと腰と足が前に出て、これまた自然に足が地面に付き、スムースに降車できるようになっているのである。これなら介助される方もする方も、楽々だろう。

 しかも、サイドリフトアップチルトシートの車体外側への張り出し寸法が、従来車の100cmから半分の55cmまで小さくなったことで(ほぼ半減)、一般的な駐車スペースでもサイドリフトアップチルトシートの展開が無理なく行えることになる。車体外側への張り出しが小さいことから、雨の日でもシートが濡れにくいメリットまであるのだから、よく考えられている。

 トヨタ・ノア&ヴォクシーのウェルキャブ車は、車いす利用者でも窮屈感のないボックス型ミニバンならではの居住性や視界の良さを備えているとともに、車いす利用者、2列目席の乗降に介助が必要な人でも快適に乗降でき、毎日の移動、そして家族とのドライブを気持ち良く楽しみ尽くせるに違いない。

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