ボトムスピードを落とさない走り方(ライン)を研究するのもドラテク向上につながる
フルオートではエンジンブレーキが弱くて、減速が……と思うかもしれないが、減速は基本的にフットブレーキの仕事。ATではブレーキパッドの消耗が少々早くなることはあっても、ATだから止まらないということはないだろう。
筑波サーキットのダンロップコーナーの進入などは、減速のためというより、フロント荷重を増やしてからターンインさせるため、MT車だとアクセルチョイ戻しできっかけを作ることがある。だが、AT車だとアクセルオフでの荷重移動は少なく、荷重移動が不足していると思うこともあるだろう。そういうときは、ちょっとブレーキを踏んでやればいいだけなので、そのことがビハインドになることはなく、乗り方を変えればいいだけだ。
ただ、小排気量かつギヤの段数が少ないAT車はフルオートで走ると、コーナー立ち上がりでパワー不足を感じることも否めない。
こうしたときはマニュアルモードを使ってもいいが、立ち上がりの鈍いクルマ(ギヤ)で、コーナリング速度を稼ぎ、ボトムスピードを落とさない走り方(ライン)を研究するのも、ドラテク向上に役立つ。そのため、あえてフルオートで走り続けるのもひとつの手だ。
というわけで、基本的にはスポーツ走行でもマニュアルモードではなく、スポーツモードのフルオートで走るのがおすすめだが、クルマによっても違いがあるので、両方試してみるのがベスト。さらに効率だけでなく、せっかくならパドルシフトを使ってアクティブにシフト操作してみたいという人も、それを楽しめばいいと思う。
MT車だって、コーナーによって4速or3速、3速or2速と迷ったりすることがあるように、AT車もいろいろ試して、自分に合った使い方、走り方を模索してみよう。