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ホイールの「先選び」は失敗のもと! シャコタン&ツライチを決めるには「順番」が重要だった

ローダウンのツライチセッティング

順番を誤ると失敗につながるロワードとインチアップの関係性とは

 足まわりをカスタムする際、多くのユーザーが真っ先に注目するのがホイールだ。最近のクルマは純正ホイールでも17インチや18インチは当たり前、ハイパフォーマンスモデルであれば最初から20インチを装着している場合もあるが、基本的には純正ホイールの外径は小さく、インチアップしてカッコいいデザインのホイールを履きこなしたい思っている人は多いはず。例えば、大径ホイールをフェンダーギリギリにツライチセッティングして、クールな足まわりのコーディネートを決めたいっていう思いは、ドレスアップユーザーの多くが狙っていることではないだろうか。

美しいロワード&ツライチを狙うなら逸る気持ちを抑えることが大切

 そんな妄想を膨らませている最中は、大径ホイールの迫力やホイールデザインのカッコ良さが次々と頭の中に浮かび、すぐにでも手に入れたいという欲求が強くなるのは当然と言えば当然。そんなホイールを選ぶ方向性としては、カスタムスタイルやベース車に合わせるのが主だろう。ラグジュアリーやスポーツ、ネオクラやラギッドなど、完成形のスタイルを思い描いてホイールのデザインやサイズをチョイスすることになる。そこで気の早いユーザーはクルマが来る前にホイールを用意しちゃうなんてケースもあるほど。

 しかし、ちょっと待ってほしい。ホイールのインチアップ&デザインありきでパーツセレクトをスタートさせてしまうと、後々で残念な問題が発生してしまうので要注意だ。せっかく気に入って購入したホイールなので、ツライチで美しいセッティングをしたいのだが、これが崩れてしまう怖れがあるのだ。ここは落ち着いて失敗しない足まわりカスタムの手順を経てみると良いだろう。

ロワードとインチアップは同時にセッティングするのが理想

 それは「ロワード(ローダウン)」と「ホイールのインチアップ」、どちらを先に実施するかの問題と直結する。足まわりのセッティングを経験したことのないユーザーなら、まずは欲しいサイズ&デザインのホイールを選んで、愛車にフィッティングさせたくなるだろう。しかし、本来はロワード量とホイールサイズには密接な関係があるので、「ロワード」と「ホイールのサイズ選び」は同時に実施するのが間違いのないカスタム手順なのだ。

 両方を同時にこなすのが予算的に苦しい場合には「ロワード」を先に実践して、あとからそれに合わせてホイールを選ぶというステップを踏むのが正解。必然的に純正ホイールのままロワードだけした、ちょっと残念なスタイルのまましばらく乗ることになるが、これはホイール購入まで我慢しよう。あくまでもホイールありきでスタートするのではなく、ロワードに合わせたホイールサイズをチョイスする順番をを忘れないでほしい。

車高を落とすとキャンバー角が変化するので結論はロワードが先!

 その理由は単純明快。ロワードするとサスペンションのキャンバー角が変わり、ホイールとフェンダーの間隔や角度が変わってしまうからなのだ。キャンバー角とはクルマを正面から見た際に、路面に対してタイヤが斜めに倒れた角度のことを指す。ちなみにタイヤが下に向かってハの字に開くことをネガティブキャンバーと呼ぶ。

 このようにロワードするとキャンバー角が変わることで、ハの字形状が強くなり、ホイールとフェンダーの間隔が開いていく傾向にあるのだ。車種やサスペンション形式によってその変化はケースバイケースだが、ノーマル車高の状態でピタリとツライチにするサイズ&インセットに設定して用意したホイールだったのに、あとからロワードしたらホイールがずいぶん内側に入ってしまったなんてことが起きるのはそのため。こうなってしまってはスペーサーを使って調整するしか手はない。しかしリムの深さやデザイン性、強度面のことなどを考えれば、ぴったりサイズのホイールを選ぶのに越したことはないだろう。

 このようにホイールのデザイン性やカッコ良さに惑わされて、ロワード後の状態を考えずに先走ってしまうと残念な結果になることが分かっただろう。ロワードとホイール交換は同時、別々に実施するならばロワード→ホイール交換(インチアップ)の順番を守って最良の状態のホイールセッティングを完成させよう。

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