話題のコンセプトカーがラジコンになって登場
ホンダアクセスが手掛けたS660のカスタマイズは、純正アクセサリーや「モデューロX」だけではない。エッジの立ったスポーティなS660の外観をクラシカルなスタイルに一変させるエアロキット「ネオクラシックキット」を、2018年8月に発売している。
この「ネオクラシックキット」、2016年1月の東京オートサロンに出品され、東京国際カスタムカーコンテストで最優秀賞を獲得した「ネオクラシックコンセプト」を市販化したもの。これをベースとしてさらにエアロパーツを装着し、レーシーなスタイルに仕立て上げた「ネオクラシックレーサー」を、2019年1月の東京オートサロンにて披露している。
だが「ネオクラシックレーサー」はコンセプトモデルに留まり、残念ながら市販化されないまま、S660のベース車自体がこの2022年3月に生産終了となった。
しかしながら、やや時をさかのぼること3カ月。この「ネオクラシックレーサー」を、京商「MINI-Z(ミニッツ)」シリーズのR/C(ラジオコントロール)カーとして実走可能にしたモデルが1月14日、東京オートサロンの場で初公開されるとともに、ホンダアクセス公式オンラインストアPayPayモール店での予約受付がスタートした(※すでに完売となり予約受付は終了)。4月29日に発売される。
まるでモデルカーのような作り込みに注目
ベースとなっているのは、四輪駆動シャシーにドリフト専用タイヤを装着した1/27スケールの「ミニッツAWD」に、Syncro KT-531P送信機を組み合わせた「レディセット」。初心者でもこのセットだけで手軽にドリフト走行を味わえるが、送信機の操作に慣れメカニズムへの理解度も高まったら、実車さながらのチューニングを楽しむことも可能だ。
そしてもっとも注目すべきは、モデルカーと思わせるようなエクステリアの完成度だろう。「S660ネオクラシックレーサー」ならではの丸みを帯びたレトロモダンなカウルデザインやシルバー塗装、デカールはもちろん、メッキ&ブラック塗装のアルミホイール、ベルト&リベット止めされたオーバーフェンダー、マットブラック塗装のフェンダーミラーまで、実車の質感が忠実に再現されている。
ホンダアクセスの魅力を多くの人に知ってもらうために企画
ホンダアクセスと京商とのコラボレーションが実現したのは、今回が初とのこと。この企画は一般ユーザーとの接点拡大を図る活動の一環として、ホンダアクセスの方から京商へアプローチ。京商から快諾を受け、その後双方のデザイナーが共同開発し、完成に至ったそうだ。
取材時に「S660ネオクラシックレーサー」のミニッツは試作品しかなく、同じ「ミニッツAWD」をベースとしたNSXでの試走となったが、R/Cカー自体が初経験だった筆者もたちまち、そのレーシングカートさながらの運転感覚の虜に。1時間少々の試走で辛うじてアウト・イン・アウトのライン取りができる程度まで上達したが、意のままに操れるようになるには、実車と同様のたゆまぬ鍛錬が必要と予感させる奥深さが、そこにあった。
R/Cカーとして走らせるのはもちろん、モデルカーとして飾り眺めても楽しい、この「1/27スケール ミニッツAWD レディセット ネオクラシックレーサー」。すでに予約受付は終了しているが、入手可能なら見逃す手はない。