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スーパーGTの「中の中」まで知り尽くしたカメラマンが情報モロ出し! 2022シーズンの見どころとは

GT300クラスの新型GR86の走り

長年SUPER GTを撮影するレースカメラマンの注目ポイントとは

 世界的に注目を集める、日本最高峰のツーリングカーレース「SUPER GT」。その魅力を世界中に届けるため、長年迫力のレースシーンを撮影するモータースポーツカメラマンの佐藤正勝さんに、独自の目線で今シーズンの注目ポイントを語ってもらった!

GT300クラスに登場する新型GR86に注目!

 昨年書いてみたら、スバルはチャンピオンになるはインパルは久しぶりに優勝するは、勝手に応援団(ひとりだけどw)の目の付け所も捨てたもんじゃないな(自画自賛)。そんな訳で今年も個人的に注目したチームなんかを紹介してみたりするが、今回は岡山のテストをサボってしまったので、3月26〜27日に富士スピードウェイで行われた公式テストでパドックとコースサイドを徘徊してみた。昨年も書いておいたけど、個人的見解のためクレームは一切受け付けないので、そこんとこ夜露死苦(←オッサンだな)。

 まずは今年のGT300の新車を注目してみるんだが、昨年はスープラの3台を世に送り出したレーシングカーコンストラクターでもあるaprが、今年はGR86をこの富士テストまでに3台制作したのだ。No2 muta Racing、No20 SHADE RACING、そして自身のチームでメンテナンスとレースを行うNo30 apr GR86 GT。

 昨年のスープラ同様中身は一緒、違うのはメンテナンスとドライバーとタイヤメーカーなのだが、このブリヂストン、ダンロップ、ヨコハマのタイヤ開発競争が、戦績に影響することは間違いないであろう。どちら様もお気張りやす。

先代のDNAをしっかり受け継ぐ名門つちやエンジニアリング

 そしてもう一台の新車に注目してみたい。昨年、初代の土屋春雄氏が他界され、二代目の土屋武士監督が率いるつちやエンジニアリングが、今回のテストには間に合わないとの噂を打ち破り、満を持していない感じで富士に登場したのだ。なんたって木曜日にやっとエンジンがかかって金曜日に搬入、さぞかしピットの中にはゾンビ状態のメカニックばかりかと思いつつ、恐る恐るピットを訪れ話を聞いてみた。

「ねぇうちのメカニック達って初めてレーシングカーを作ったんですよ」と土屋監督が口を開いた、「今は20代と30代のメカが中心でやってますよ」、高齢化が著しいレース界に於いて、確かにプロパーのメカニックの顔ぶれは若かった。

 するとふたたび監督が笑いながら口を開き、「うちのクルマ作りはホームセンターで買ってきた物だけじゃなくなったんですよ」と。何を言っているのやらと思っていたら「これはAmazonで買ったヤツ、これはヤフオクで買ったヤツ」と説明してくれたのだ。流石! 春雄氏の背中を見て育っただけのことはある。

 ほかの3台のスープラがMade in厚木ならば、このスープラはMade in藤沢なのだ。最強のプライベーターを目指して頑張ってほしいと切に思う次第。

GT-RへスイッチしたDorago CORSEは懐かしコンビが復活

 昨年までNSX GT3で参戦をしていたDorago CORSEであるが、今年は車両をGT-R GT3にスイッチして参戦。それに伴いチーム代表でもありドライバーでもある道上 龍選手が監督となったこのチームのドライバー達が笑えたのだ。何でも、コンビを組むのが21年ぶりという柳田真孝/井出有治組。

 その昔、ハセミモータースポーツのシルビアで参戦して以来のこのコンビが、どんなレースを見せてくれるのかくれないのか、楽しみにしておこう。

GT500クラスはホンダと日産でドライバーがトレード!?

 昨年は最終戦までチャンピオン争いに加わっていたAstemo REAL Racingに、昨年は大人の事情で日産勢の一員となっていた松下信治選手が帰ってきた。昨年はインパルに5年ぶりの優勝をもたらした実力は折り紙付きである。塚越広大選手との息もピッタリで、今年もチャンピオン争いに絡みそうな予感がする。

 その一方で昨年までリアルでドライブをしていたベルトラン・バゲット選手が、トレード(???)でインパル入りとなった。シーズンオフの間から相棒の平峰一貴選手と行動をともにし、こちらも息ピッタリのコンビとなっている。

 昨年も同じようなポジションでレースを繰り広げていた両チーム、このドライバーの入れ替えで、今年はどんなレースをするのか、開幕の岡山が待ちどうしい。

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