移動の快適さや積載性は◎だが車中泊は△の
「ステーションワゴン」
ステーションワゴンもアウトドアで大活躍してくれそうな、使いやすいラゲッジルームを持つクルマだ。SUVと室内空間は似たようなものだが、ラゲッジルームのフロア地上高がSUVより低く(620mmが平均値)、アウトドアの重い荷物の出し入れもしやすい。全高が1550mm以下であることがほとんどで、立体駐車場への入庫も容易だし、重心が低いことから高速走行、山道走行でも安定感、安心感ある走りが楽しめるあたりもステーションワゴンの魅力となる。
一部のステーションワゴンベースのクロスオーバータイプ、最低地上高に余裕を持たせたワゴン……と言っていいスバル・アウトバックや同XV、ボルボV60クロスカントリーなどは、そうしたアウトドア適正に加えて、走破性まで兼ね備えたオールマイティな車種となりうる(全高は1550mmを超えてしまうが)。
とはいえ車中泊対応となると、室内高がミニバンやスーパーハイト系軽自動車のようにはないため、寝ることはできても、天井が低いことで多少圧迫感はあり、当然お座敷化は難しい。
積載性や車中泊は○でも乗り味は△の
「商用軽自動車バン」
商用車のカテゴリーに分類される、ホンダN-VAN、ダイハツ・アトレーのような商用バンは、とにかく車内後部のラゲッジスペースが大容量で使いやすい。ちょっとしたシートアレンジや装備の追加で車中泊も可能になり、いまアウトドアシーンで脚光を浴びている車種となる。
価格的にもお手ごろで、純正品や社外品のアクセサリーを活用することによって、カスタマイズしやすいのもアウトドア向きといっていい。とはいえ、元々は近距離で使う”働くクルマ”であるわけだから、シートのかけ心地、乗り心地、動力性能など、乗用車レベルはほぼ期待できない。アウトドアフィールドに向かう長距離走行にはあまり適していないともいえるのだ。
理想のアウトドアカーは悪路走破性に優れる
デリカD:5!
そんな、アウトドアにそれぞれ一長一短あるクルマのカテゴリーのなかでも、個人的にアウトドア適性抜群と思っているのが、ミニバンカテゴリーの三菱デリカD:5。アウトドアのプロにも多く愛用されている車種であり、ミニバンの使い勝手と本格派ヨンク並の走破性を兼ね備えた、世界的にも希少な1台。それにアウトランダーにあるPHEV版があれば、これはもう世界最強の理想的アウトドアカーになり得ると思っている(現時点でないものねだりだが……)。
あとは、アウトドアに一緒に乗っていく人数、路面状況、荷物の大小、よく行くアウトドアフィールドまでの距離などを考慮し、車中泊をするか否かで、自身に最適なアウトドアカーを選んでほしい。
いずれにしても、アウトドアに似合うかどうかはともかく、室内大容量/お座敷化/ベッド化が可能なミニバン、スーパーハイト系軽自動車が意外と使いやすかったりする。日本のアウトドアフィールドは、アクセス路、場内ともに道が整備され、SUVじゃないと無理!? なんていう場所はほとんどないからでもある。