高級志向に変更するも910型でスポーティ路線に復帰
ブルーバードはその後4代目の610型(ブルーバードU)、5代目の810型と世代を重ねる。ただ4代目で大型化し豪華指向に走り、6気筒シリーズも設定するなど、この2世代はやや迷いがあるように見え、歴代ブルーバードのなかでもこの年代は、やや盛り上がりに欠ける感もなきにしもあらず……だった。カタログを見直せば、どちらの世代にもSSSはラインアップされていたのだが……。
そしてふたたびブルーバード=SSSが存在感を復活させたのが、1979年に登場した910型・6代目だった。ジュリーこと沢田研二に「ブルーバード、お前の時代だ」と言わせたCMが鮮烈だったが、赤のボディ色をイメージカラーに、510型を思わすクリーンなスタイリングでおおいに人気を博した。
サスペンション系では、フロントサスペンションのジオメトリーにハイキャスター・ゼロスクラブが採用されたり、ラック&ピニオンが採用されるなどしている。
エンジンでは、日産車ではセドリック/グロリアに次いでターボが設定された点が注目だった。型式Z18E・T型、4気筒1.8Lで、135ps/20.0kg-mと2Lを上まわる性能をモノにし、SSSの高性能ぶりをアピールするのに一役も二役も買った。
この910型では4ドアセダン、2ドアハードトップのほかに、同クラス初のピラーレス4ドアハードトップも追加し人気を集めている。
さらにもう1世代、910型をそのままFF化したようなU11型を挟んで、1987年に登場したU12型、8代目ブルーバードでは、“アテーサ”と名付けられた4WD=ビスカスカップリングを使った4輪駆動力最適制御システムや、後輪舵角制御サスペンションも投入。さらにエンジンではもっともハイスペックだったのが2LツインカムターボのSR20DET型で、205ps/28.0kg-mのシリーズでも群を抜いたSSSアテーサは、SSSの期待に違わぬ走りでマニアを愉しませた。