家族がゆったり乗れる=パーツやタイヤもたくさん積める!
マイカー1台だけでサーキット遊びから普段の家族サービスまでまかなえる、そんな虫のいいクルマなんてある……? あるんです! というわけで今回は、スポーツカーでもありファミリーカーとしても活躍してくれる、欲張りなクルマ選びを指南しよう。
スズキ・スイフトスポーツ(ZC33S):いま最強の王道ファミリーカー
現行で最強のファミリースポーツは、いまや定番ともいえる「スイフトスポーツ」。1.4Lターボエンジンは140psながら23.4kg-mのトルク。単純に言えば初代「86/BRZ」よりも加速は断然速い。サーキットでのラップタイムも、ライトチューン同士で比較するとスイフトスポーツの方が速い。4ドアの5名定員でラゲッジスペースもある。後部座席も広いので大人4名でドライブも可能だ。
それだけスペースがあるということは、いろいろ積める。実際、純正同等サイズのタイヤ&ホイールなら8本積んで助手席に人が乗れる。なので、サーキット用タイヤ+工具やジャッキを積んで現地でタイヤ交換してサーキットを走るようなこともできるのだ。2シータースポーツではできないことであり、これならサーキット専用タイヤやSタイヤを使うのもアリな選択となる。
ターボ車なのでエンジンパワーを引き出しやすいのもオススメポイントだ。ブーストアップで15~20psはアップ。純正タービン交換なら30ps程度は引き上げられるが、ポンとタービンだけ変わるので、正直、家族にはまずバレない。エンジンルームもなにも変わらないし、マフラーを変えなくても大丈夫。さらに性能を引き出すにはスポーツ触媒とマフラー交換が推奨だが、ノーマルでもタービン交換の効果を楽しめる。そんなライトチューンな仕様で筑波サーキットを1分4~5秒で走れてしまうのだから恐れ入る。
マツダRX-8(SE3P):じつは広~いファミリーカー
生粋のスポーツカーであり、ファミリーカーにもなりえるのが「RX-8」だ。NAのロータリーエンジンを搭載したスポーツモデルとして2003年に登場。観音開きスタイルの4ドアで後部座席もある4名定員のクルマだ。この後部座席がバケットシートのような形状になっているが、じつは意外と広い。大人でもまったく狭くなく、普通に乗れてしまうし、足元もそこそこの広さを持つ。
それでいてエンジンはNAロータリー特有の回転フィールが気持ち良い。その音と回転の爽快さは特筆すべきレベルにある、日本が誇るスポーツカーだ。それでいて4名乗れてトランクも狭くない。4名でドライブも可能だし、子ども連れで乗るにも不便な広さではないのだ。
チューニングとしては足まわりがメインになる。エンジンはNAだけに排気系チューンの効果はあるが、それなりに音量も大きくなる。ロータリーはとくにしびれるような高音が気持ち良いが、やりすぎると奥さまに怒られるかもしれないので、ここは足まわりを煮詰めるのがオススメだ。
NCロードスターと同系統のシャシーはとにかく前後サスがよく動く設計。RX-8ではNCよりも屋根があり、ボディがしっかりしている分、足まわりはさらにスムースだ。レート高めのバネでもしなやかで快適でありながら、鋭いハンドリングを手に入れることができる。
中古車のタマ数もそこそこあり、MTもATもある。唯一の難点は燃費で、なにをどうしても街乗りでリッター10kmは難しい。高速では10km以上も可能だが、普段乗りの燃費の悪ささえ覚悟すれば、ファミリースポーツにピッタリの存在だ。