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実質後継のS660があっても人気に陰りなし! ホンダ・ビートが溺愛されるワケ

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 本田技研工業/Auto Messe Web編集部

  • ホンダ・ビートのフロントスタイル

  • ホンダ・ビートのフロントスタイル
  • ホンダ・ビートの真横スタイル
  • ホンダ・ビートの透視図
  • ホンダ・ビートの走り
  • E07A型
  • ホンダ・ビートのインテリア
  • S660のフロント&リヤスタイル
  • ズラリと並ぶホンダ・ビート
  • S2000のフロントスタイル

今もなお愛され続けるホンダ・ビートの魅力とは

 S660が生産終了となった今でも、マニアなファンの間で根強い人気を誇るホンダ・ビート。1991年のデビューからすでに30年以上が経過するなかで、生産台数(3万台以上)の半数以上が現存するなど、多くの人たちから今もなお愛され続けている。普通に考えれば、今後その人気はS660に移るのだろうが、S660の中古車価格が高騰していることもあり、ビート人気に陰りは見られない。S660のフロント&リヤスタイル

 その理由はNSXと同様に、F1をはじめとしたホンダがモータースポーツで輝いていた時代のクルマであったことに加えて、バブル時代の名残りや郷愁、愛らしいスタイリングのほか、高性能なエンジンなどにある。

移動の足じゃなくドライビングを楽しむ相棒的存在

 ビートのスタイリングは「クルマ生活を楽しくする友達のような存在」がコンセプトであった。ひと目で軽自動車のオープンスポーツカーだとわかるプロポーションは、スポーティでありながらフロントマスクは少々そっけなく見えるものの、嫌みのないものであった。ホンダ・ビートの真横スタイル

 また、全長3295mmのコンパクトなボディに対して、軽自動車としては長い左右のドアを持ち、体格の大きな人が乗ればクルマが小さく見え、逆に小さな人が運転すれば大きく見えるなど、短い前後オーバーハングと相まってどこかホビー感を漂わせるフォルムが秀逸だった。

バブルの名残りで高揚感に沸くなかパーソナルカーとして人気を博す

 当時はバブル景気が終焉を迎えようとしていたものの、現在に比べれば豊かで高揚感のある時勢のなか、セカンドカーとしてドライブをひとりで楽しめるという理由で購入した人は多かった。とくにこのスタイリングゆえに「荷物なんか積めなくて良い!」と老若男女問わずに愛され、5速MT車のみという硬派な設定でありながらも好調に販売台数を伸ばした。ホンダ・ビートのインテリア

 当時は免許制度にAT限定が導入される前でもあり(※ビートの発売から半年後の1991年11月から)、MT車の運転の得手不得手は別にして、免許を取得したすべての人がMT車を運転することができた時代。オープンカーの軽自動車でしかもMT車というハードルは、現在と比較すると決して高くなかったワケだ。

軽自動車初のミッドシップ2シーターオープンカーとして誕生

 FF車を得意としていたホンダであったが、ビートは軽乗用車で初めてミッドシップレイアウトを採用した2シーターフルオープンカーとして華々しくデビューした。エンジンをはじめボディ&シャーシには当時絶大な人気を誇ったF1直系を連想させる高性能なものが与えられ、それだけで胸が熱くなったユーザーも多かったはず。ホンダ・ビートの透視図

 前年(1990年)には初代NSXがデビューしていたが、あちらはスーパーカーであったのに対して、ビートは車両本体価格が138.8万円(税抜)とリーズナブル! オープン2シーターでMT車というニッチな存在ながらも、発売時に月販目標台数を3000台としたことには、ホンダとしてある程度の自信があったのではないかと考えられる。

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