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240km/hでもシャンパンがこぼれず! メルセデスも震撼! 初代セルシオ伝説がヤバすぎる

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TEXT: 小鮒康一(KOBUNA Koichi)  PHOTO: 島崎七生人/トヨタ自動車/Daimler AG/Auto Messe Web編集部

  • 初代セルシオのフロントスタイル

  • 1UZ-FE型4L V型8気筒エンジン
  • 初代レクサスのリヤスタイル
  • 初代セルシオのフロントスタイル
  • W126型メルセデス・ベンツSクラス

世界と肩を並べた初代セルシオの世界基準ぶりとは

 現在では、日本でもレクサスブランドのフラッグシップモデルとして販売されている「LS」。日本でレクサスブランドが立ち上がる前は「セルシオ」として販売されていたが、この初代セルシオこそ、世界の高級車へ多大な影響と衝撃を与えた偉大な1台だったのである。

壊れない=高品質という日本車のイメージを変えるきっかけに

 セルシオが登場したのは1989年のことだが、当時、海外での日本車のイメージといえば「手ごろな価格で高品質(壊れない)」というものが一般的。日常のアシとしては最適ではあるものの、メルセデス・ベンツやBMWといったフラッグシップ車とは異なるというのが一般的であった(クラウンなどが対米輸出されていなかったというものあるが)。そんな海外での評判を覆すべく立ち上げられたブランドこそがレクサスであり、販売店もプレミアムブランドに相応しいものとなるように、ディーラーを選別するほどの力の入れようだったのだ。初代レクサスのリヤスタイル

エンジン始動しているのか分からないほどの静粛性を誇る

 そしてそのレクサスブランドのトップモデルとして投入されたLS(セルシオ)は、当時のトヨタが持てる技術力をすべて注ぎ込んだ集大成となっている。各部の公差(許容される精度の差)も一般的なトヨタ車の1/3にまで煮詰めるなど、現在まで続くレクサス品質の礎を築いたモデルに仕上がっていた。

 もちろん各部の建付けだけではなく、搭載される1UZ-FE型4L V8は、エンジンがかかっていることを忘れるほどの静粛性とバランスを誇っていた。LSの上にシャンパンタワーを建てた状態で240km/hまで加速しても(もちろんフリーローラーの上に載せられた状態だが)、シャンパンは一滴もこぼれないというパフォーマンスは、いまだに語り継がれているほど。1UZ-FE型4L V型8気筒エンジン

 またサスペンションの仕立ても高いレベルで、アメリカの傷んだコンクリート舗装や欧州の洗濯板状態の路面であっても乗員に不快な振動を与えることはなく(しかも北米仕様、欧州仕様、日本仕様と国別に味付けが変えてあった)、車内への騒音の進入も最小限に留められており、圧倒的な品質の高さを持ち合わせていたのである。

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