クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • ビートやカプチーノと同い年! コペン誕生の10年前にひっそりと存在した「ダイハツ・リーザスパイダー」とは
CLASSIC
share:

ビートやカプチーノと同い年! コペン誕生の10年前にひっそりと存在した「ダイハツ・リーザスパイダー」とは

投稿日:

TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人/ダイハツ/Auto Messe Web編集部

「このキャビンは、天まで広い。」

 あらためてスパイダーのカタログを見直すと、このクルマが「上級仕様」だったこともわかる。モモ製ステアリングホイール(当時、市販品でも人気のあったコブラIIだ)や、プリセームと呼ばれた人工皮革を表皮にしたバケットシートなども備えていた。なお搭載エンジンは660ccの12バルブEFIターボで、64ps/9.4kg−mの性能を発揮、トランスミッションには5速MTと3速ATが用意された。

 さらにフロントビスカスLSD、前輪ベンチレーテッドディスクブレーキも標準装備。現役当時に試乗したときの記憶はうっすらとしたものながら、その時代のオープンボディだったから、オープン/クローズに関わらず走行中にボディ、フロントスクリーン、ステアリングコラムのワナワナを絶えず実感したこと、その状態でアクセルを踏み込むと、かなり強烈な加速感に見舞われたことなど……が筆者の記憶のなかにはある。

エンジンは660ccの12バルブEFIターボ

じつは連綿と続いていたダイハツのオープンへの挑戦

 ところでダイハツのオープンタイプといえば、1970年の「フェローバギィ」もあった。残念ながらその年の東京モーターショーのパンフレットが手元になく、筆者の頭にUSBポートもないので、記憶のなかの赤/白2トーンのショーカーの姿を出力してお見せすることはできない。だが、VWがビートルのシャシーにFRPボディを被せたサンドバギーを造ったのと同様、ダイハツは当時の軽いピックアップトラックのフレームを利用してこのバギィを仕立て、何と販売までしていたのだった。

フェローバギィ

 ほかにダイハツといえば60年代の「コンパーノ(スポーツ)スパイダー」が有名。写真は手元にある1969年の東京モーターショーのパンフレットだが、「“通”が日本一の折り紙をつけた本格派」、「青空のなかをかけぬける2+2ではない本格的な4座、総会な排気音、幌の着脱は30秒」などと紹介文が載っている。

コンパーノスパイダー

 もう1台、第26回東京モーターショー(1985年)のパンフレットに載っていたのが、参考出品車、「ミラ・カブリオレ」だ。こちらは市販化はされなかったが、まさにVWゴルフ・カブリオをスケールダウンさせたようなスタイリングは、今見てもあながち非現実的ではなく、実現されてもよかったなぁ……と思わせられる1台だ。

ミラ・カブリオレ

12
  • 1991年に登場するも380台しか売れなかった「リーザスパイダー」
  • スポーツ志向ではなくお洒落でカジュアルな志向
  • 三角窓のようなパーティションが加わっていた
  • 幌の開閉はNAロードスターやビートと同じ方式
  • エンジンは660ccの12バルブEFIターボ
  • ベースとなった「リーザ」
  • コンパーノスパイダー
  • ミラ・カブリオレ
  • フェローバギィ
  • 右上:フェローバギィ/左上&左下:コンパーノスパイダー/右下:ミラ・カブリオレ
すべて表示
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS