「ケブラー」採用で強化された「アストンマーティン・ヴァンテージ」
そして今年3月に発表されたのは、ボンドカーのイメージも強いイギリスの雄、「アストンマーティン・ヴァンテージ」だ。軽量にこだわったフェラーリから一転して、こちらは防弾性能のさらなる強化が図られている。
フロントウインドウとドアウインドウは防弾ガラスを使用し、ルーフと燃料タンクまわりには爆風に耐える強化スチールを採用。フロントまわりとドアには、防弾チョッキにも使われるアラミド繊維の一種「ケブラー」を採用して、重量増は450ポンド(約204kg)となっている。4.0L V8ツインターボは503psのままだが、サスペンションは重量増に応じて強化されている。
防弾ガラスは5mの距離から44マグナムや9mmパラペラム弾を撃ち込まれても完全に防御可能。外から見た限りでは通常のヴァンテージとの違いがわからないが、しいて言えば、リヤのエキゾーストパイプは異物を入れられないようにメッシュで覆われている。タイヤはランフラットなので、銃で撃たれてもそのまま走れる。
また、RS7に搭載された数々の機能のなかから、車外からの侵入を防ぐドアハンドルへのスタンガンが採用されている。
これらの防弾仕様カスタムの料金は3万2500ドル(約410万円)からで、顧客の要望に応じて防弾レベルもB4からB7まで増強できる。アドアーマー社のピート・ブレイバーCEOは「このヴァンテージに軽量アーマーを組み込むのは私たちにとって一番重要なチャレンジでした。なぜなら、公道での危険な状況において、スピードこそもっとも貴重な資産だからです」と語っていた。