その4:友だちのお父さんから引き継いだワーゲンバス
1966年式の「タイプ2デラックス」という、ちょっと豪華仕様のワーゲンバスに乗って大阪から来た時井さん(23歳)は社会人2年生。1年前まではビートルに乗っていたそうだ。
「もともと中学の同級生のお父さんがこのバスに11年くらい乗っていて、手放すことになったのでお声がけしていただき、ビートルを売って乗り換えました。まだヘッドライトにアイブローを付けたりした程度ですので、これから少しずつ自分の色を出していきたいです」
その5:放置車両を譲ってもらって自分でレストア&カスタム
広島のSOLLAさん(23歳)の愛車は1967年式の「タイプ3バリアント」。いまで言うステーションワゴンタイプのVWで、スタイルと実用性の高さで人気があるモデルだ。この個体は高校3年生の秋、まだ免許も取っていないときに、20年以上放置されていた車両を譲ってもらって、可能な限り自分でレストアしてきた愛車だ。ボディのペイントも自分でやったという。
じつはSOLLAさんはついこの間まで鈑金塗装の仕事をしていたので、その手の作業はお手のもの。そしてこの春、ピンストライパーとして活動していくために独立したばかりだ。しばらく入院していたバリアントもイベントの3日前に戻ってきたばかりで、最近入手した「クレーガー」ホイールをバリっと履いて、春の門出のイベント参加となった。彼のピンストライプ作品はInstagramの「@19_s.a.w_98」で見ることができる。
その6:飲食店のお仕事でもバリバリ活躍
同じ「タイプ3バリアント」でも実用寄りで活躍しているのがこちらの1966年式。この年式までのオプションだったルーフの2トーンカラーとサンルーフがポイントだ。オーナーのヨスケさん(24歳)は名古屋で飲食店の店長さんとして働いている。1年半ほど前に、初めてのマイカーとしてこのクルマを買ったのだそうだ。
「父が昔ビートルに乗っていたのもあって、クルマが欲しいなと思ってビートルなどを調べていたら、“こんな実用的なクルマもあるのか!”って衝撃を受けてタイプ3バリアントを選びました。遊びにも使えるし、仕事で食材を運んだりもして活用しています」
その7:通りすがりの子どもに笑われてもコレが好き!
最近は「エイジングペイント」というクルマやバイクのカスタム手法もあるが、オリジナル塗装が自然な経年変化でサビたりヤレたりしてビンテージな風合いになるのを愛する、「パティーナ」あるいは「ラット」と呼ばれるスタイルもあり、海外のクラシックカーシーンで盛り上がって、日本にも波及してきている。
和歌山で介護士のお仕事をされている谷本幸謙さん(22歳)は、サビサビルックの1971年式ビートル1302が最初に買ったクルマで3年目。ヤナセ物の右ハンドル車で、オリジナル塗装がカサカサになっている。ルーフラックも木板の物をチョイスして、経年のヤレ具合を演出するこだわりようだ。
「通りすがりの子どもに“これボロボロ!”って指さされますが、これが好きで乗ってます。とことん磨けばキレイになるかもしれませんけど、やりません。屋根付き保管で、ずっとこのスタイルのまま乗っていきます」