パワーアップはカンタンでも軽量化は大変
車種を問わない究極のチューニングともいわれる軽量化。パワーやトルクの向上はモチロン大いに有効だし魅力もあるが、トレードオフとしてタイヤおよびブレーキなどの負担は増えてしまう。
ところが軽量化はそうしたパーツの消耗を軽減するだけじゃなく、加速や燃費もアップする魔法のようなチューニングなのだ。代表的なメニューとしてはボンネットやトランクいった外装を、FRP製もしくはカーボン製に交換する方法がよく知られている。
ほかにはいったいどんな軽量化があるだろうか。エアコンやヒーターを外すような快適性を大きく損なう内容ではなく、気軽に試すことができたり定番チューンの副産物を中心に紹介したい。
走行前に必要ないパーツを外してしまう
タダでサーキットに到着してからでも可能なのが、クルマに付いている余計なパーツを外すこと。助手席と後部座席にそのほかの内装、スペアタイヤや車載工具と探せば意外とある。クルマのおもな用途がサーキットで、遮音性を気にしなければ、カーペットやアンダーコートまで剥がすのもアリだろう。
注意したいのは重量のバランス。ただでさえドライバーが座る右側とエンジンが載るフロントは重くなりがちで、左側が軽すぎると左右のコーナーで挙動が大きく変わり危険なケースもある。極端なフロントヘビーになればブレーキングのときにリヤがロックしやすいなど、無視できないデメリットが顔を出す場合もあるので十分に気を付けてほしい。
ガソリンの量を調整するのも意外と効果アリ
次はガソリンの量を調整すること。耐久レースのように長時間のイベントじゃなければ、ガソリンは満タンじゃなく走行の途中で補充する。ちなみにガソリン1Lの重さは約750gなので、燃料タンクが60Lのクルマを満タンにすれば約45kg、半分の30Lなら重量差は22.5kgと結構な違いだ。モチロン軽さを気にし過ぎてガス欠になっては本末転倒だが、22.5kgを別の方法で削ぎ落とすのはかなり難しいといっていい。
シートは軽量なバケットタイプに
続いてはサーキットを身体を強烈なGから支えるバケットシート。車種やグレードによって差は大きいが純正シートとシートレールの重量は15~25kgともいわれ、FRPやカーボンのフルバケットシートならシートレール込みで10kg以内に収まるだろう。左右を合わせれば相当な軽量化が期待できるはずだし、ホールド性や操作性も純正と比較にならないほど高い。