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「リジェJS2」「インターセプター」「バゲーラ」! クルマ好きでも知らないスーパーカー6選

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/RENAULT/OPEL

英国製はクラシカルなスポーツクーペとグランツーリスモ

 英国製のスーパーカーと言えばロータスのエスプリなどが有名ですが、ここで紹介するマニアックなモデルは1台ずつのクラシカルなスポーツクーペとグランツーリスモ。

マーコス3000GT

 まずはクラシカルなスポーツクーペ、マーコス3000GTから。マーコスは戦後の1959年に設立されたメーカー(というよりもイギリスに多いレーシングカービルダー)で、当初はレーシングカーを製作していましたが1963年にはロードゴーイングカーとなるマーコス・スパイダーを発表。マーコス3000GT

 ウッドン・フレームと呼ばれるベニヤ板で成形したモノコックにFRPのアウターパネルを架装したパッケージが特徴的でしたが、スタイルが不評で、営業的には苦戦していました。しかし、翌1964年に発表したマーコス1800GTはロングノーズとショートデッキで短いキャビンを挟み込む、スリークで古典的なスポーツカールックが好評で、以後、北米輸出を中心に大きく販売を伸ばすことになりました。マーコス3000GT

 そして1968年に登場した、まさに真打とも言うべきモデルがマーコス3000GTでした。フォードの高級車、ゾディアック用で最高出力が146psの3L V6エンジンを搭載していましたが、車重も800kg台と軽量で、本格的スポーツカーとして好評を博していました。軽量なウッドン・フレームは大きな特徴でしたが、製作に手が掛かって生産性は芳しくなく、翌1969年には一般的な鋼管製のスペースフレームに変更するなど大きく手が加えられています。マーコス3000GT

ジェンセン・インターセプター

 英国製のもう1台はジェンセンの3代目インターセプターです。1934年にコーチビルダーとして創業し、おもに大衆車向けのカスタムボディを製作していましたが、やがて戦後になると自らの名を冠したモデルを製作することになりました。

 その第1号が1950年に登場したインターセプターでした。これは初代モデルですが、今回紹介するのは1966年に登場した3代目です。初代モデルからブラッシュアップが続けられたシャシーに、クライスラー製の6.2L V8を搭載。

 カロッツェリアトゥーリングによって設計されたボディは当初、ジョバンニ・ミケロッティなども在籍していたイタリアのコーチビルダー、ヴィニャーレで製作されていましたが、後にはジェンセン自らが製作を行うようになりました。

 パッケージ的にはフロントエンジンの後輪駆動で、サスペンションもフロントはダブルウィッシュボーン、リヤはパナールロッドが追加されたリーフリジッドと、とてもコンベンショナルな基本設計となっていました。335psの馬力よりもむしろ、6.2Lの大排気量V8が捻り出す58.7kgmの大トルクを活かす、スポーツカーというよりもグランツーリングを楽しむ1台だったようです。

ドイツからも1台を紹介

オペル1900GT

 今回紹介する6台の、大トリを務めるのはゲルマンな1台、オペルの1900GTです。ここまでに紹介したなかにも、はたしてこれがスーパーカーか、と意見が分かれるモデルもあったかと思いますが、オペル1900GTも意見の分かれる1台になるかと思われます。

 まずその出自ですが、オペルのコンパクトモデル、カデットB(戦後の2代目)のシャシーをベースに、流麗な2シーターの2ドアクーペボディを架装したもので、コンパクトモデルをベースに、といった辺りで意見が分かれてくるのではないでしょうか。

 ですが搭載するエンジンは、カデットのなかでもっともホットな1.9L直4で、最高出力も90psと、当時としてはなかなかホットなスペックでした。何よりもロングノーズにショートデッキというスポーツカーの“お約束”で、シルエットはそれだけでスーパーカーを名乗ることを許してしまうような魔力、いや魅力がありました。

 それにしても、クルマの無国籍化が言われて久しくなりましたが、今回紹介した6台は、それぞれ紛うことなきフランス車であり、イギリス車であり、そしてドイツ車です。じつはパワーがどうこうではなく、その辺りにも魅力があるなと感じた次第です。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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