安全にクルマを全開で走らせることができるのがサーキット
サーキットはレースが行われる敷居の高いところと思われがちだ。そうでもあるのだが、クルマを全開で走らせてもいい、安全な場所でもある。スキー場でスキーをするのと同じで、それ専用に整備された場所なのだ。なので、ファミリーカーで走ってはいけないというルールはない!
サーキットによってはミニバンは横転の恐れがあるので禁止のところもあるが、プリウスやレヴォーグ、CX-3で走っても全然OKなのである。
サーキットを走る前の注意点は6つ
【1】ブレーキパッドだけは絶対交換
純正ブレーキパッドはサーキットではすぐに高温に耐えられずフェードしてしまい、利かなくなってしまう。これは大変スーパー超危険なので、ブレーキパッドだけは絶対交換。スポーツパッドカテゴリーのものなら1万円台のものでもとりあえず大丈夫だ。
【2】ヘルメットとグローブは必須
ヘルメットはバイク用でもいいので必要。原付用の半キャップは不可で、125cc以上でも使えるヘルメットが望ましい。グローブも必須で、軍手は不可だ。安くてもいいので布製のグローブがあるといい。バイク用のもので大丈夫だ。
【3】長袖長ズボンが必要
走行時は肌が露出してはいけないので長袖長ズボンが必要。ジーンズにトレーナーなどの服装でも構わない。緊張から汗をかくことが多いので、肌着の着替えを持っていくのがオススメだ。
【4】オイルは新品で「F」のラインまで入れる
エンジンは普段ではありえないほど全開で高回転までブン回すので、できればオイルは交換しておきたい。高価なオイルでなくていいが、あまりリーズナブルなものだと限界性能が不明でリスクもある。純正オイルでいいので新品に交換しておこう。
前後左右に強いGが掛かるため、オイルはたっぷり入っていないとオイルポンプがオイルを吸い上げられず、潤滑切れを起こすことがある。エンジン停止後5分くらいしてレベルゲージの「フル」にぴったり合うようにオイル量も確認しておく。
【5】ガソリンも満タンに
ガソリンは思った以上に減るので、サーキットの近くの高速道路を降りてから満タンにするイメージで。とくにターボ車ではビックリするスピードで減る。またガソリンも少なめだとコーナリング時にポンプが吸わなくなってしまうことがあるので、最低でも3/4以上は入れておきたい。
【6】走行時は荷物はすべて降ろす
サーキットでは普段は想像もしないようなGが発生する。後部座席にあったティッシュが飛んでくるなどまだかわいいもので、とにかくいろんなものが飛んできてしまう。後部座席の足元でも荷物は不可。ダッシュボードのレーダー探知機もだいたい取れてしまう。ルームミラーに付けたアクセサリーも外しておこう。
「走行会」=イベント主催者が貸し切っている
サーキットはフラッと行ってもなかなか走れない。一般のファミリーカーでサーキットを走るには、おおまかに2種類の方法がある。
走行会はクルマ屋さんやイベント業者などがサーキットをまとめて貸し切りにして、参加者から走行料を集めてみんなで走るイベント。主催者ごとに特色があり、運転スキルやクルマの速さごとにいくつかの走行クラスに分けて走ることが多い。「初心者限定」クラスなどを設けているところもあって、同じくらいのスキルの人と一緒に走るのでビギナーでも走りやすい。
「スポーツ走行枠」=スキー場と同じでお金を払えば走れる
スポーツ走行とは、サーキットごとのライセンスを取得し、その上で20分とか30分の単位で時間枠にお金を払って走る。コース上にはいろいろなスキル、いろいろなクルマが同時に走っているので多少慣れが必要だが、一般的に走行会よりも走行料は安いので、たくさん走りたいならこちらがオススメだ。
ミニサーキットではライセンス取得に数千円、20分走行で2000~3000円くらいが相場。当日ライセンス講習を受けてすぐに走れる場合が多い。
富士スピードウェイのような本格コースだと、ライセンス講習のある日とない日があるので注意。ライセンス取得には3~4万円、走行料金は20分走行で4000~5000円くらいが相場だ。
自分のペースで愛車の性能を味わおう
スキー場やスケート場と同じように、安全性の確保された専用スペースで思う存分に楽しめる場所がサーキットだ。それらのスポーツと同じように、競技を目指している人もいれば、自分のスタイルで楽しむ人、コツコツと練習する人もいる。みんながみんな速く走らないといけない場所ではないので、自分の楽しみ方で愛車の性能を味わってもらいたい。