ベビーギャングの名に相応しいポテンシャルを持ち合わせた
トヨタ・ヴィッツといえば、スターレットの後を継ぐ実用的なコンパクトハッチバックカーであると同時に、モータースポーツの入門車としてもスターレット同様愛されたモデルだった。現在はグローバルネームのヤリスに改名し、よりホットなエボリューションモデルのGRヤリスがリリースされているのも、ご存知の通りだろう。
そんなヴィッツの初代モデルにも、メーカーがリリースした「RS」やTRDが開発しモデリスタがリリースした「ターボ」などのホットモデルが用意されていた。だが、多くのコンプリートカーを手掛けていたトミーカイラからも、初代ヴィッツをベースとしたチューンドコンプリートカーが販売されていた。それが「ベビーギャング」と名付けられたモデルである。
これは1.5Lエンジンを搭載するRSをベースにトミーカイラがチューニングを施したもので、そのチューニングコンセプトは「一目瞭然」。
そのコンセプト通り、ひと目でチューンドモデルであることがわかる大きなエアインテークを持つフロントバンパーやグリル。そして当時のこのクラスのコンパクトカーとしては大径となる17インチのタイヤホイールを装着している点が最大の特徴となっていた。
もちろん見た目だけでなく、パワートレインでは大きなエアインテークから取り込んだ空気を吸い込む高効率なエアクリーナーシステムや、オールステンレス製の4-2-1レイアウトのエキゾーストマニホールドを採用。そしてストレート構造でこちらもオールステンレスのリヤピースマフラーを備えて、ベビーギャングの名に相応しい走り味にも磨きをかけていた。
そして17インチ化された足まわりには、トミーカイラ独自のバンプ・リバウンド減衰比を採用したショックアブソーバーとコイルスプリング、さらなるストッピングパワーを実現した専用ブレーキパッドもプラスされていた。コンプリートカーならではの高次元でバランスの取れた仕様となっていたのである。
またオプションとしてサイドディフューザーやサイドデカールが用意されていたほか、もっとカジュアルにトミーカイラを楽しみたいというユーザーに向けて、足まわり中心のチューニングに留めた「ステージ1」仕様も用意されていたのだった。