大ヒットした初代RVRにもオープントップモデルが存在!
ここでいきなりクルマのカテゴリーが飛ぶのだが、ルーフ部分が完全なオープンとなるクルマとしては、ほかにも三菱RVRオープンギヤやスバル・ヴィヴィオTトップがあった。RVR(初代)は1991年2月に登場し、ミニバンのシャリオのショートホイールベース版に位置づけられ、片側スライドドアを持つ背の高いワゴン型のクルマとして人気を集めた。そのバリエーションのひとつとして1993年8月に加わったのがRVRオープンギヤで、ワゴン(ミニバン)タイプでありながらフロント席頭上のルーフがスパッとカットされ、電動オープンルーフとしたもの。
写真でもお分かりのとおり、本来のスライドドアは持たず、前席左右ともヒンジドアのレイアウトとなるも、そんな犠牲を払ってでも採用された電動ルーフは、80km/h以下であれば走行中の開閉操作も可能となっていた。いろいろな意味で自由奔放というか、今では考えられないようなユニークな“装置”を備えたクルマだった。
軽自動車のヴィヴィオは4つのオープンエアスタイルが楽しめた!
今では考えられないという点ではスバル・ヴィヴィオTトップもそうだ。1993年5月、富士重工40周年記念車として3000台限定で発売されたモデルだったが、標準のヴィヴィオをベースに、マルチトップと呼ぶ3分割ルーフのクーペ(定員は4名を確保)に仕立てた何とも贅沢なクルマであった。頭上のルーフの脱着は“手動”だったが、ルーフはわざわざ3分割になっており、中央を残してTバールーフ状にすることもできた。
一方でリヤオープンと呼ぶモードは、電動でリヤウインドウを格納したり起こしたりできるというもの。つまりルーフはすべて取り外した状態で、リヤウインドウを格納した状態がフルオープン、リヤウインドウを起こせばオープントップと呼ぶタルガトップ状態と、あの最初のポルシェ911タルガと同じスタイルが日本の軽自動車のヴィヴィオで楽しめた……というクルマだった訳だ。
記憶が正しければ、筆者の“初タルガトップ体験”はそれほど昔ではなく、確か80年代中ごろに試乗の仕事で乗ったフィアットX1/9が最初だった。フルオープンの自ずと後頭部までフルに(笑)さらされる感覚とはひと味違う“半分守られている感”が、それはそれで味わいがあると思ったもの。フルオープンよりも身近な、オープン感覚が味わえるところがこのタイプのクルマのポイントだ。