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たとえ大事に使っていても交換必須! 「レーシングギア」は使用期限のある生モノだった

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

レーシングギアは安全に直結したアイテム

 恋愛感情の賞味期限は3年という説があるが(恋愛ホルモン”とも呼ばれる「PEA:フェニルエチルアミ」 というホルモンの分泌が約2年で分泌が減少するため)、ドライバーの安全を守る各種レーシングギアにも使用期限があるので要注意。そのおもなものを再確認しておこう。

ヘルメット

 強い衝撃を受けたヘルメットは、見た目上キズなどがなくても使用しない方がいいといわれているが(アライヘルメットだと、メーカーに送れば再使用可能かどうか無料で検査をしてもらえる。送料のみ自己負担)、たとえ未使用でも製造後10年以上経っているヘルメットはJAFの公式戦では着用できない。ヘルメット

 さらにアライヘルメットでは、SGマーク(製品安全協会の被害者救済制度)の有効期限(ヘルメット着用開始から3年)を目安に、買い替えを勧めている!

 高価なものなので3年で買い換えるのはハードルが高いかもしれないが、できれば5~6年で交換し、最長でも製造から10年経過しているものは使用するのをやめて、思い出の品としてとっておくようにしよう。ヘルメットの製造年月日

シートベルト

 純正装着のシートベルトは、ELRでも壊れない限り無期限有効だと思っているかもしれないが、競技用のフルハーネスは製造から5年間が使用期限となっているので要注意。走行会や草レースでは問題視されることはないが、JAF公認競技では期限切れのシートベルトは使えないので有効期限のチェックを忘れずに。シートベルト

レーシングスーツ

 レーシングスーツに関しては、今年からFIAの耐火安全ホモロゲーションナンバーが「FIA 8856-2000」から「FIA 8856-2018」へと更新されているのでややこしい……。これまでの「FIA 8856-2000」のスーツで、なおかつFIAのホログラムが付いていないアイテム(2012年12月31日以前に製造)は、FIA公認競技だと2022年12月31日までしか使えない。しかし、JAFの国内格式以下の競技なら、2024年12月31日までOK。ホログラムのあるスーツなら、2028年12月31日まで使用可能だ。レーシングスーツ

 そして、新しいFIA 8856-2018規格品は「製造から10年の使用期限」が定められていて、製品本体には「使用期限」が表示されているのでこれをチェック。

 古い規格の「FIA8856-2000」製品は、2021年12月31日までで製造期限が過ぎているので、すでに在庫限りとなっているが、走行会や草レースならまだまだ使用可能。在庫処分セールでディスカウントしているものも多いので、練習用にこれらを安価にゲットしておくのはおすすめと言える。レーシングスーツ

 スーツそのものはけっこう丈夫にできているので、袖口がほつれてきたりチャックが壊れたりしない限り、かなり長期間使用可能。どちらかというとドライバーの体形が変わって、買い換えが必要になるパターンが多い!?

シューズ/グローブ/アンダーウェア(「FIA8856-2000」規格の期限)

 これらもFIAのホログラムのアリとナシで使用期限が変わってくる。

・ホログラム無しのもの→FIA国際格式のあるレースでは2023年12月31日まで(※JAF国内格式以下のレースでは2025年12月31日まで)

・ホログラム有り→FIA国際格式のあるレースでは2028年12月31日まで

 もっともグローブの場合、指の股の部分がほつれてきたり、滑り止めのシリコンやゴムが劣化してきたりすれば、期限内であっても即交換。レーシンググローブ

 シューズも底のゴムが剥がれてきたり、摩耗したり、先端に穴が空いたりしたら迷わず交換となる。消耗品だと割りきって使うしかない。レーシングシューズ

ソックス

 ソックスだけはほかのアンダーウェアと違って、下記の通り。

FIA国際格式レースでは2023年12月31日まで※JAF国内格式以下のレースでは2025年12月31日まで

 いずれも公認競技以外なら、ボロボロになるまで使おうと思えば使えるが、レーシングギアは安全に直結(とくに耐火性能)しているアイテム。FIAも根拠なく使用期限を設けているわけではないので、「もったいない精神」と安全性のちょうどいいところで折り合いをつけられるようにしよう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
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  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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