限定カラーや「アバルト」版などバリエーションは膨大
乗った感じは、「1.2」版は余裕はないが不自由なく走れるだけの動力性能がある。「1.4」版は1.2より確実にパワーがあるが、漫然運転で乗ると眠い印象があるのでエンジンを高回転域まで回して使ったほうがいい。そして「ツインエア」版は、1.4Lエンジンよりも圧倒的に速いような気がする、というものだ。ちなみに、これはデュアロジック仕様に乗った際に抱いた感想で、5速MTの場合、ツインエアエンジン搭載モデルが一番オモシロイということになるだろう。
通常モデルに加え、これまでに110を超える限定車が登場しているといわれており(数が多すぎて全貌不明!)、さらにカラーバリエーションの豊富さも魅力のひとつだ。また、3代目500をベースとした派生モデルの「アバルト500」も登場し、その後、「595ツーリズモ」および「595コンペティツィオーネ」や、「695ビポスト」、「695トリブート・フェラーリ」、「695エディツィオーネ・マセラティ」などもラインアップされた。
中古車はタマ数豊富で価格は20万~300万円までピンキリ
現在、ユーズドカー市場では、1.2版、1.4版とも最安値は20万円程度だが、その一方で限定車の人気モデルは300万円前後で売られている。デュアロジックは、ユニット内部のオイル漏れが原因で故障することがあるので、ユーズドカーを購入する際は必ず試乗し、うまく変速しなかったり、ギヤが抜けたりしないかを確認したい。
最後にオイルくさい話も記しておくと、デュアロジック・ユニット内部のオイル漏れ箇所は複数あり、カム(セレクト)ソレノイドのカプラー部分にミッションオイルが滲む、セレクトセンサーの下部切り欠き部分にデュアロジックオイルが滲む、クラッチプッシュロッドのダストブーツ付近からデュアロジックオイルが滲む、といった不具合が確認されている。これらは外から見ても分からないことなので、購入前に試乗し、デュアロジックの状態を確かめることが必要なのであった。
2008年から日本で販売されているロングセラーモデルなので、これが3代目500のベストバイと断言することは不可能だが、個人的には牧歌的な1.2版の5速MTが白眉だ。